このところ、リーマンショックで企業の研究開発費が減り、知財部予算も減っているそうで、ここ2年くらい、新規出願が減っている。


開発拠点を外国に移す企業も出てきているようで、このままでは研究の空洞化まで起きかねない状況だ。


いずれにしても、国内に残っている企業にしても、知財予算が減っているため、特許事務所に値引きを交渉する。そして出願件数も減っているとなれば特許事務所も普通にやっていては経営が厳しくなるので、新規開拓せざるを得ない状況である。


それでも、電気・機械とバイオ・医薬関係では、特許1件の重みが違うので、減らすと言っても限界はある。


それとバイオ特許はかなり長く、数百ページに及ぶ場合もある。だから、一般にはバイオ明細書の方が高くなりがちである。3割増し、1件40万円程度が相場と言えようか?


これに対し、電気関係では20万円位が普通になり、20万円を切る値段の会社もあるようだ。


これはもともとは件数が多いために割引していたわけだが、今は件数が減って、値引き要求はより厳しくなっているので特許事務所にとっては踏んだり蹴ったりである。


中小企業さんの中には定価ベースで支払ってくれるところもあるので、そういうところはやりやすい。


個人発明家で何度も方針が変わったりすると、通常の何倍も手間がかかって、しかも手間の分も含めて請求すると高い、と言われることもある。


その点、企業の知財部は状況がわかっているので、話がつきやすい。


いずれにしても、日本からも大発明が出て、世界をリードするような画期的な製品が出てほしいものだ。もはやそれしか日本が生き残る道はないだろう。