今のメルマガは発明者と受験生の両方向けに書いてある。


最近ではさらに情報起業家向けも少し考えている。


受験生向けのメルマガと発明者向けのメルマガの2つに分割した方がよいか真剣に検討中である。



ところで、最近元特許庁の方が、バイオの知財人材が足りない、というようなことを言っていたが、どういう意味かよくわからない。


私の聞くところによると、バイオの弁理士は明細書を書く要員としては十分数が足りていると思う。


バイオの仕事だけで食べていける弁理士は少数である。普通はバイオに加えて化学の仕事をやらないとやっていけないだろう。


確かに石を投げればバイオの弁理士に当たるというほどにバイオ関係の弁理士が多いということは無いが、出願数に比べれば十分過ぎるほどだろう。


私の知り合いの博士もバイオ出身だが、事務所ではバイオ以外の分野の明細書を書いているそうだ。

そういう意味では特許事務所という面からはバイオの人材は十分足りていると言えよう。


それに比べれば、電気系の弁理士は足りない。しかし、何故かそういうことが公式の場で問題視されることはあまり聞いたことがない。


あるいは、バイオベンチャーを支援する弁理士は足りないのかもしれない。

しかし、バイオベンチャーを支援しても成功ばかりではない。支援したくなるベンチャーならともかく、そうでないなら弁理士にとって魅力のある職場とも思えまい。魅力がないから支援する弁理士が少ない、という可能性もある。


弁理士の数が問題なのではなく、ベンチャーを支援できる人材が少ないと言う意味なのだろうか?

つまり、バイオサイエンスの最高峰の知識を持ち、しかも十分法律知識を持ち、さらには、ベンチャーの経営もできるMBAのようなスーパー弁理士が足りない、という意味なのかもしれない。


つまり、知財を使って経済を活性化できる弁理士、と言う意味では足りないと思う。

確かにそういう需要はあるのではなかろうか?

そして上記のようなことができる人材であれば高額の手数料を取ってよいと思う。


海外の事務所なら、例えば、米国で代理人に明細書を書いてもらえば数百万かかる。


中国でも日本と同じ位と聞いている。物価から考えれば日本なら数百万に相当するだろう。


だから、弁理士もどんどん自分を磨き、そして、明細書1件で数百万取る人が出てきても何らおかしいことではない。さらに、弁理士が大勢いる米国でも非常に高額の代理人が成り立っていることを見れば、数を増やしても逆に競争が激化して出願手数料が高くなるケースもありうる、ということだ。


出願手数料が安くても、簡単にエスケープできたり、無効理由を含んでいるような特許なら出す意味は無い。そういう意味で今後は能力次第で報酬に大きな差が付く時代になると思われる。


高額でも将来それでビジネスを展開するのであれば数百万の投資を惜しむべきではないだろう。安い弁理士を選んだためにクレームが甘く、事業が守れなければ本末転倒である。