第6章 誘導電動機 6.3 等価回路の導出

 

 誘導電動機の等価回路を導出する際、1次回路の起磁力(一次負荷電流×一次側の巻き数)と2次回路の起磁力(二次電流×二次側の巻き数)は打ち消し合う関係にあるとして、一次側と二次側の関係が説明されることがあると思います。

 起磁力を考えるには、磁気回路(鉄心に巻かれた1次コイルや2次コイルが形成する磁束がどのように鉄心やコイルと鎖交しているのかを示す経路)が明確になっていないと議論できないはずです。

 

 しかし、私の知る限り、等価回路の解説において起磁力に言及しているにも関わらず、誘導電動機の磁気回路を明らかにしてたものを見たことがありません…(かろうじて2極機に的を絞ったものであれば、磁気回路をみたような記憶があります)

 

 このように、誘導電動機の磁気回路が分からないのに、起磁力の議論をされても意味が分かるはずがありません。

 

 実は、この起磁力の考え方を理解するためには、誘導電動機としての磁気回路を考えるのではなく、あくまで変圧器としての磁気回路を考える必要があります。

 

 起磁力の視点から誘導電動機の等価回路を導こうとして、このような悩みを抱えている方も一定数いることかと思いますので、本節は、そのような方にとって格好の処方箋となるはずです。

 

(その解説は本書に記載されています↓)

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