第4章同期発電機 4.1 磁極と電機子
電験三種の同期発電機の解説では、なぜか極数2の磁極モデルを用いた解説が殆どです。
果たして、この図の4極型、6極型、8極型の解説を見たことがあるでしょうか…?
通常「極数2の磁極が電機子に作用し、電機子に対して三相交流起電力を誘導させる」とザックリとした解説が殆どで、ひたすら同期速度の公式や等価回路を使った計算問題の解説に比重が置かれている印象を受けます。
ひどい話、極数2という極めてシンプルな事例しか紹介されていないにも関わらず、計算問題では4極以上の多極を想定しておかないと太刀打ちできません。しかも、取り扱いが「直流」ではなく「交流」、しかも「三相交流」と来ます…
同期発電機に苦手意識を持っている方の多くは、原理の部分をしっかりと確認せずに、単なる公式や等価回路の暗記に移ってしまい、その使い方を過去問で演習するという勉強方法になっていないでしょうか?
これだと、難易度の低い公式の当てはめ問題(これだけで電験三種に合格できれば苦労はしないレベルの問題)であれば対処できるとは思いますが、難易度の高い問題(解けるか解けないかで電験三種の合否を左右するレベルの問題)になってくると解答の説明を見ても意味が分からず、その積み重ねで同期発電機が苦手になってしまうと思います。
そして、その負の連鎖は、電験三種で頻出の同期電動機や誘導電動機にまでも及び、トータルとして機械分野が苦手という状態に陥ります。
単に理論分野の延長として直流発電機や直流電動機を理解できていた人も、同様の思考プロセスでいると、同期発電機あたりから苦しい展開になってくるのが普通ではないでしょうか。
話を同期発電機に戻します。同期発電機の原理を理解するためには、その構造から理解しておく必要があります。勿論、電験三種に必要な範囲での理解です。
本節では、同期発電機の根本原理として、多極の磁極構造や、その磁極の形成する磁界(磁束分布)が電機子にどのように作用しているのか解説し、極数が多くなっても同期発電機をイメージできるように解説を進めています。
(その解説は本書に記載されています↓)
電験三種向け 発電機・電動機・変圧器の解釈 - 基本原理から公式の詳細 - | パテレクト (patelect.base.shop)