第2章 2.4 回転子に生じる誘導起電力
多極の直流発電機を構成している各磁極NxやSxは、回転子(導体棒)が配置される位置に対して、大よそ次の図1に示す磁界(磁束密度B)を形成します。
この磁界の詳しい向きについては、本書の2.1節~2.3節で数式を用いて解説しています。
そして、回転子の回転にともない導体棒には、フレミングの右手の法則に従って、図1に示した向きに誘導起電力が生じます。
直流発電機全体としての誘導起電力Eは、各導体棒の誘導起電力の総和として求められ、電験三種では最終的に次の<公式>の形で利用されます。
E=(pz/60a)ΦN
この公式において、pは極数、zは回転子の導体棒の総数z、aは回転子回路の並列数、Φは磁極毎の磁束、Nは回転子の1分毎の回転数Nです。
この公式の導出に当たって、典型的な解説では、回転子に作用する磁界は、次の図2に示すように、回転子の表面に対して常に垂直に交わるモデルが採用されている印象を受けます。
しかし、このモデルですと、図1の磁界の向き(常に垂直方向ではない)に対応できていません。
図1の磁界の向きに対応させて考えるためには、次の図3のようなモデルで考えないといけません。
そこで、本書では、図2のモデルと、図3のモデルの各々のケースに分けて誘導起電力の公式を導出する方法を解説しています。
(その解説は本書に記載されています↓)
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