いずれにせよ、今おきていることは(最悪の場合)
約三五〇年ぶりの大変動であり、大変動であるが
ゆえに考える速度が現実に追いつかずに誰も彼もが
あちこちで判断ミスを重ね、それらの影響もまた
数百年くらい続くかもしれないというのが、目下の
僕の心配であります。
僕たちは、あと数ヶ月以内に、今後百年単位の方針を
考えて覚悟を決めねばならない(もしくは考えそこね
て今後百年単位で後悔する)かもしれないのです。

(最後の注:というわけで「あと数ヶ月」はあっという
間に通り過ぎてしまい、たぶん「あと数週間」くらい
かな、というところに今はなっています。)

        *


だから……最後に僕は、とくにこの文章を目にして
いる若い人たちに、今はこんなふうにお願いしたい
のです。



どうか冷静さを手放さないでください。

寛容さを忘れないでください。

深呼吸して「ちょっと待てよ」と考える癖を
つけてください。

いろんな本を読み、いろんな人と会って、
いろんな話をしてください。

今の自分の無知や無力ではなく、将来の無能と
無気力をこそ恐れてください。

二者択一という罠を前にした時は、三番目の
方策が本当にないものかと想像してください。

「やつら」などという、顔も声もない便利で
邪悪な塊は、この世に存在しないことを知って
ください。

そして、もしかしたら間違っているのは自分の
考えのほうかもしれないという可能性を、いつ
も心の片隅にとっておいてください。


……なぜなら僕たち大人の多くは、こうした
ささやかな美徳を、間もなく手放すかもしれ
ないのですから。

 http://sanpo.electric-cat.org/txt/hitoko0308.htm 散歩男爵の今月の一言  より