“人類なんてどうでもいいわ~。"

17才の女の子は歌っていた。

そして世界が掲げる聖人君子はこう言った。

“平和には責任と犠牲が必要である。”


平和を得るための戦争がある。
あるものは殺し、あるものは殺されるだろう。
そして若い兵士たちを戦場に送り出す責任を私は負うこととなる。


なんだって?
あなたのいったい何処に人の命を背負う力があるというのか?
あなたの人生のどれだけの時間をかけたら、戦場で人を殺し、殺される人間の恐怖を拭えるのか?
母の悲しみ、父の苦しみ、愛する人の未来をどう埋めていくんだろうか?


戦争はきっとなくならない。
たった今、この瞬間にだって地上のどこかで誰かの恋人がなぶり殺しにされている。
それを目前にする人たちは、きっと武力の必要を痛感するんだろう。
それが理解できない訳じゃない。

でも私は、綺麗なオベベを着て、愛する家族と食卓を囲む聖人君子の黙祷なんて聞きたくない。
それが人類の掲げる平和だと言うならば、人類なんてどうでもいい。

私は、人類のために親や子、愛する人を捨て駒に差し出しすなんて絶対に嫌だ。

“someone will kill,someone will be killed. "


冗談じゃない。
あなたにとってのsomeoneが、誰かのspecialだ。

私に尽きぬお金があるなら、毎日毎日世界中の戦場の上に睡眠薬をばら蒔こう。
何の解決にもならないとして、毎日毎日、死ぬまで続けたい。

人々には流れる血があり、築き上げた民族の暮らし、風習、文化、思想がある。
力のあるものが言った。

“皆のためにそれらを棄ててくれ"

みんなって誰なんだ?
誰か絵空事でかまわない。みんなの望みを叶えてほしい。
何人たりとも人の一生を汚すことは赦されない。
そう声を張り上げていないと心が揺らいで二本足で立つことさえ怖いんだよ。


今、アメリカで安定した雇用を求めて軍への入隊希望者が溢れているという。
私の従兄弟も戦場に行った。
思想だけではどうにもならないんだ。


私は大人。17才じゃなかったね。
彼女はこうも歌ったよ。


“人生なんてどうでもいいわ~。”  

 安藤裕子 


 誰かお金持ちの人、世界中の戦場の上から睡眠薬ばら蒔いてくれませんか?