⑩ 最後は寂しい‥
今日はバイト最終日。
「社長!面倒みてもらってありがとうございました!」 ゆーすけ
「お世話になりました!」 けんじ
「二人とも、これからいろんなものを見て、聞いて
感じて、成長していけよ!がんばれ!」 社長
「はい!!」 二人
がっちり握手をした社長の手からは、その思いが
伝わった。
お化け屋敷に戻り、山口さん夫婦にもあいさつをした。
「今日で終わって、家出ることになりました!」 ゆーすけ
「ほんまかぁ。寂しくなるなぁ」 おばちゃん
「はい。今までいろいろありがとうございました!」 けんじ
「おばちゃんいつでも待ってるからまた顔みせにきてな。
あんたらがおってくれたおかげで、その間は、病気も
楽やったし、たくさん元気もらったわ(笑)」 おばちゃん
「‥‥病気!?」 二人
おばちゃんは持病で、急に熱が出たり、頭が痛くなったり
ちょっと前は大変だったらしい。
「そんなこと知らずに、毎日ご飯作ってもらって‥
なんて言ったらいいか‥‥」 ゆーすけ
「いいのよ(笑) おばちゃん泣きそうやから、
サヨナラは言わんと帰ってな。」 おばちゃん
「はい!!じゃあ‥‥、すぐ帰ってきまーす!」 けんじ
「いってきまーす!」 ゆーすけ
「体に気をつけて、いってらっしゃい!」 おばちゃん
そう言うおばちゃんの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
お化け屋敷で荷物の整理をしていると、
ピンポーン‥
「誰やろ??」
ガラガラガラ‥‥‥、!!?
なんと、ムカついていた大工のおっさんが立っていた。
(なにしにきたんじゃい!!) けんじ
「お前ら今日で終わりなんやってなぁ!」 おっさん
「そうですけど。」 ゆーすけ
「‥‥がんばれよ。お前らと仕事して楽しかったわ‥」 おっさん
「‥は?‥‥」 二人
予想外のことに、言葉が出てこなかった。
「じゃあな。」 おっさん
「あ、あ、ありがとうございました!!」 二人
荷物をまとめ、お化け屋敷を後にして
今だ車検切れのやっちゃん号で
福井目指してひたすら走った。
社長、おばちゃん、そして大工のおっさん‥‥
本当にありがとうございました。
みんなのおかげで、パッチはまた成長できました。