32 ゆーすけ、バイト終了!
『ちきちき』 でのバイトも今日でラストだ。
10日間という短い時間だったけど、みんなとも仲良くなり、勉強になる
事がたくさんあった。 すばらしい従業員の人達は
あっけさん (39才)
仕事に対してとても厳しく、オレは怒られてばっかりだった。
でも店のこと、みんなのことを一番よく考えてくれている女性リーダーーだ。
ゆき子姉さん (47才)
仕事がよくできて、見た目は冷たそうに見えるがとても優しく、
オレに毎日おにぎりを作って持ってきてくれた、お母さん的存在。
ちあきちゃん (20才)
店の中で、唯一オレの年下。 マイペースでおっとりしていて、
とてもよく笑う、かわいらしい妹的存在。
ゆり子さん (50才)
掃除専門のパワフルなおばちゃん。 おもしろい人でとても喋りやすい。
そして、みんなに尊敬されている マスター (45才)
最初は、10日間の約束で働かせてもらったんだけど、
「金貯まるまでうちにおってもいいんだぞ。」と言ってくれた。
ここにいたら、 お金 ももらえるし、 ご飯 にも困らないし、 楽しい仲間 もいる。
すごいうれしい言葉に一瞬迷った。
マスターのことは、すごいと思うし尊敬もしている。そんな人の下で
働けるなんて、 どれほど幸せなことだろう?
マスターの気持ちは本当にありがたいが、 オレ には やるべきことがある!
「これ以上甘えることはできません! オレは行きます!」
「‥‥そうか。 まぁ、お前さんにはお前さんの道がある!
ひきとめはしない!」
そして、その日のまかないは ジンギスカン だった。
オレ が一番最初に 「ジンギスカン食べてみたいっす!」 と言ったのを
覚えてくれていたんだ。 マジでうれしい(泣)
これが最後のまかないだと思うと、寂しくて涙がこぼれ落ちそうになった。
気付かれないように必死で食べたので、味わって食べられなかったけど、
油がのって柔らかく、ジンギスカン特有の臭みもなく本当においしかった!
バイト代をもらって、少し前から考えていたことをマスターに伝えた。
「マスター、オレこのバイト代で明日客として店に食べに行きます!」
お客さんがみんな口を揃えて、 「おいしい!」 と言うマスターの料理を、
ぜひ自分で働いてもらったお金で食べてみたかった。
マスターの一言、
「来るな!」
「‥‥‥」
そして、長かったバイトが終わりを告げた。