2月に入りました。朝晩寒いですね。

津村記久子さんの『苦手から始める作文教室』、読み終わりました。

先日、図書館から大量の津村さん作品をお借りしてきたのですが、その中でも真っ先にこの本を読むことに決めました。

 

理由は簡単。私は現在無職の身なのですが、職務経歴書というマイ・ヒストリーを書く際、筆が遅く、自分で自分のことが嫌になったためです。

大抵の人は職務経歴書を使い回していると思うのですが、私は全く未経験の異業種向けと今までお世話になった業界向けに、2種類用意しています。(未経験のめぼしい会社に全て落ちたら、経験業種に絞って就活をする予定です)

未経験業種向けの方は、そんなに苦を感じることなく、やってきたことをつらつら書いて終えたのですが、経験業種の方は、あれもこれもやりました、と書くと、前職の時のように何でもかんでも仕事を回されて、自分ばかり苦しむ羽目になるのではと思い、生半可にやっていたことは全て消去して、自分だけが関与していた業務のみを抽出し、その内容を深掘りすることにしました。これが書けないったらありゃしない。自分で何かを開発したとかチームを導いたとか、際立つ経験がないので仕方ないですが。苦情が出ないレベルで淡々と仕事をこなすことは、スキルとは言えないのですかね…。

どちらの職務経歴書が本来の自分を映しているのか。正直、異業種向けの方はできすぎに見えますし、経験業種の方は内容が薄くエピソードも一言程度で、どちらも自分の経験年数に見合う職歴になっていないような気がします。

そこで、本題の本書を読みました。(長くなってごめんなさい)

 

小中学生に書かれた作文の指南書ということで、内容は大変分かりやすかったです。日常の些細な出来事を棚卸しし、原稿用紙に書き始めるまでのハードルを下げてくれる、そんな内容です。

これは小学校の時に知っておきたかったと思ったのは、ゼロ文目を書いてみよう(P.58~)という項です。原稿用紙の裏に「今から○○について書きます」と薄く記してからその続きを書くつもりで書くと、書き出しの負担が軽減する、というものです。小学生の時は、ですます調と句読点で文字数を伸ばす、という姑息なやり方で凌いでいたので、これは人生の初期に知りたかった技です。書き出しは不自然になりやすく、筆が乗ってきてから書き直しとなると、全て消しゴムで消す体力消耗にも繋がるため、できれば避けたい所です。その肩の荷がおりるだけでも作文苦手意識は解消するのではないかと思いました。頭の片隅に置いておいて、このスキルを生かしたいと思う社会人十○年目なのでした。

 

津村さんの挙げていた図書についてもこちらに記載しておきます。

津村さんの作品を全て読み終えたら、読んでみたいと思います。

 

・津村さんが最初に読んだ「大人が読む」文庫本

『わしらは怪しい探検隊』椎名誠

 

・次に読んで欲しい本

『宝島』ロバート・スティーブンソン 鈴木恵訳 新潮社

『一杯のおいしい紅茶』ジョージ・オーウェル 小野寺健訳 中公文庫

『中学生から知りたいウクライナのこと』小山哲・藤原辰史 ミシマ社

あと、執筆中にYouTubeで雨の音の動画を流しているとの事で、その中でも好きな投稿者の特徴を挙げてらっしゃったので探してみました。(P.76~77)

テンガロンハットを被ったテキサスのおじさんと、ニットキャップを被った立派なスタジオで作業するおじさんの投稿する「雨の音」が好きだそうです。

前者は検索したらすぐにヒットしましたが、後者は分かりませんでした。雨の音を聞いていると必ずトイレに行きたくなってしまうので、私は焚き火の音を好んで聴いています。焚き火に飽きてしまった時は、温泉とジャズという作業用BGMを流しています。こちらもトイレに行きたくはなるのですが、心なしかお湯(水?)の寄せる音で肩が温まるような気がしてくるので好きです。リラクゼーション音楽いいですよね。