読解力も記憶力もないじみばばの
的外れな感想と備忘録。
ネタバレあるある。
『〈あの絵〉の前で』原田マハ著
実在する“あの絵”にまつわる6つの短編集。
短編集だから深みがなかった印象だけど、
どれもアートの力で新たな一歩を踏み出す人々を描いた、
勇気付けられる作品。
だけど、共感はなく。
何故だろう…と考えたら思い至った。
私自身、芸術に励まされることがないから。
絵画を見れば感銘を受ける。
でもそれが日常生活の原動力になることはない。
音楽を聴いて「あの歌詞に励まされた」という感覚もよくわからない。
私のことを知らない人が、
私以外に向けて発した何かに“励まされる”ことがないのだ。
だから傷付いた主人公達が、
アートを見て前へ進んで行こうとするところで終わる物語が、
え?それで大丈夫なの?明日からこの大変な状況を乗り切れるの?
と疑問に感じて、「これで終わり?」と思ってしまうのだった。
『線は、僕を描く』砥上裕將著
オーディブルで聴いていて、序盤は面白い!と思ったけど。
後半は期待したほど盛り上がらなかったかな。
主人公が水墨画と向き合う場面がね。
心の葛藤を描いている重要なシーンなのに
単調に思ってしまった俗人マイモ…。
何かとすぐ感化されるので、
先述の原田マハさんの小説を読めば
その絵を見に行きたくなったりするけれど。
水墨画を見ても、小説の中で語られているようなことは
全くわからないだろうなぁ…と。
主人公の心の再生を描いた、心洗われる物語で、読後感は良かった。