引き出しの片付けをしていたら、古い携帯電話が出てきた。
先月まで使っていたものを除くと、ガラケー2台とスマホ2台。
そのうち2台は一生手放せないだろうと思っていた。
忘れられない思い出がつまっている。
でももう7年ほど経つ。いい加減、処分しよう。
その当時、“彼氏”と呼んでいた人とのメールのやり取り。
最後に見返してしまうあたり、やはり私はどうしようもない。
色々な思い出が蘇る。
対等な関係ではなかった。
相手の要望に応えるため、出来ることは何でもした。
私を必要としてもらえるなら、それで良かった。
出会ったことを後悔していないし、別れたことも後悔していない。
過去に戻ったとしても、私は同じ選択をし、同じ行動をするだろう。
あの頃は幸せだったはずなのに、
思い返すと悲しい、苦い、やるせない気持ちに襲われる。
全力で頑張って、ただひたすら尽くし続けて、
ようやく恋愛ごっこしか出来なかった自分の価値を
改めて思い知らされるからなのか。
データを削除することに躊躇いはなかったけど、
削除した後、私の中の“何か”も空っぽになった気がした。
この7年、上書き出来なかった部分。
もう何も残っていない。