恩師の日

学校の先生との思い出はある？

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私が通っていた商業高校は、変な…もとい個性的な先生が多かった。

だから先生との思い出は色々とあるけど、その中の1つ。

“恩師”の話ではないけれど。

2年生の1学期、簿記の最初の授業の日。

生活指導担当の学校内で３本の指に入る怖い先生、○井先生が受け持ち。
教室に入って来た時に着席していないと怒られるので、
全員座り、緊張した面持ちで待っていた。
そこに入って来たのは○川先生。（※○の部分同じ）

ざわめく生徒達。
「○井先生は？」の問いに、

「○井？私は○川」と至って真面目な顔で答え、教壇に立つ。

この先生、当時20代後半。

背が高くてわりと整った顔立ち、低音の超渋い声。

生徒の反応など我関せずという感じのマイペースぶり、

愛想笑いなど一切しない非常に独特な雰囲気の持ち主で、

少々近寄りがたい感じ。

「それでは授業を始めます」のセリフに、

まだ少々呆気に取られていた生徒達からは特に反応がない。すると。

「ダメですよ！そこでえーーーッ！って言わないと！」
「大事なのはCall & Responseです！」（黒板いっぱいにCall & Responseと書く）

と、やけに芝居がかかった言い方で熱弁。

え、この先生こんなキャラだったのか…😶

そしてもう１度やり直しさせ、えーーーッ！と言わせて満足すると、
「それじゃ順番に自己紹介をしていきましょう。
　ココから半分はうさぎさんチーム、ココから半分はたぬきさんチーム」
ウサギサン？タヌキサン？？半ば呆然とする生徒達。

しかし先生はどこまでも真面目な顔だ。

端の列からうさぎさんチームとたぬきさんチームが１人ずつ交代で自己紹介。
「好きな音楽はその人の個性を表わす」とのことで、
好きな音楽を言わされ、その度に大げさなリアクションをする先生。

結局半分ほどのところで、チャイムが鳴って授業の終わりを告げる。

私までまわって来なかった…ホッ。

そうか、担当の先生のプリントは、“井”と“川”が間違ってたのか。
誰もがそう納得していた。

そして放課後。
高校の頃、職員室によく入り浸っていたので、担任に今日の出来事を話す。
すると担任、「はは、そりゃ○川先生にかつがれたんや」

え😮

簿記の担当は、やっぱり怖い○井先生であったけど、
その時間は用事で自習になったため、
○川先生はその監督に来ただけだったらしい。
それがたまたま学年で最初の授業だったので、あんなことをしたと。

えーーーーーッ！？😵

あれだけ真面目な顔してニコリともせずに全員を騙してたのか！？

…相当な衝撃だった…😦

そんなわけで私と友人はその日のうちに事実を知ったのだけど。
次の簿記の授業時間。
○川先生がやって来ると思ったクラスの子達は、

チャイムが鳴ってもバラバラにお喋り。
そこにやって来た○井先生。凍りつく教室。
全員着席していないため、怒り出す先生。
恐る恐る「○川先生は…？」と問う生徒に、何寝ぼけたこと言ってんだ的な反応。
そこで初めて、全員が前回騙されていたことに気付いたのだった。

今思い返しても。
これだけふざけたことを、大真面目な顔をしてやってのけた○川先生。

面白すぎる。

お陰様で忘れられない思い出。