「今日でここに来るのは最後にしようと思っています」
先生に直接、そう伝えた。
最後のカウンセリングは、
今となっては冷たい言葉だけが切り取られて私の記憶に残っている。
「これまでもあなたはそうやって人間関係を断ち切ってきたんですね」
「腹が立つ」
先生が私に言ったこと。
もちろんこれはほんの一部分。
下らない話ばかりしてしまう私の心配に対して、
いつもそんなことないと言ってくれた先生。
でもそれを受け入れようとしない、先生を信頼しようとしない私。
そのことに対して言ったことだったと思う。
だけど前後の言葉は思い出せない。
私の“ネガティブフィルター”にかけられて、
冷たい言葉の部分だけが残ってしまった。
「カウンセリングの効果に疑問を感じているからですか?」とも聞かれた。
確かにそんな気持ちもあった。
ただ話を聞いてもらうだけではなく、
心の折り合いのつけ方を…その答えを求めていたから。
でもそれはカウンセリングで見つけられるものでは
なかったのかもしれない。そう思い、
「いえそういうわけじゃないんです。
ただ話をすること自体が辛く感じるだけなんです」と言い続けた。
最後に「お世話になりました」と挨拶した時の先生の顔は忘れられない。
悲しそうな、諦めたような、何か言いたげな。
「またいつでも来て下さい」と言ってくれたけれど、
私の性格上、何が起きても、もう2度と連絡することはないだろう。
自ら断ち切った人間関係。
傷付けてしまった先生に、再び救いを求めることなんて出来ないと思うし、
自分からやめておいて、再び頼るなんて出来ないとも思うから。
これが2021年8月の出来事。
あれから1年以上経つ。
ストレスチェックで面接を受ける前と受けた後と。
私の心の在り方は何も変わっていない。
その後、会社からのフォローは何もない。
お世話になった当時の部長は転勤していなくなった。
今年も結果は高ストレスで“医師による面接指導が必要”だった。
当然、再び面接を受ける気などない。
結果だけ確認してログアウトする。
もう頼れるものは何もないことだけはわかっている。