1年経った頃には、カウンセリングをこのまま続けるべきか迷いが出てきた。
カウンセリングのスタイルに変化はない。
私の心の不安定さも変わらない。
カウンセリングの効果に疑問を持ち始めてもいた。
1年程度ではわからない、もう少し続けていたら何か変わるのかもしれない。
そう覚悟しようとする一方で。
周りの人に話せないことを先生に話す。それで心の安定を保つ。
…それがカウンセリングならば、
一生カウンセリングを受け続けなければいけないのでは…。
その不安も、あまりきつく聞こえないよう、極力言葉を選んで伝えた。
先生は曖昧に微笑んだだけだった。
「傾聴」そして「共感」という、いつも同じ先生の反応にも
カウンセリングのマニュアル通りなのかな、と考えてしまう。
1年で10万円以上。
それを、あと何年続ける?
続けたら私は変われるのだろうか…?
2021年夏、コロナのワクチンを職域接種で受けることにした。
当時はワクチン不足だったため条件が厳しく、
変更・キャンセル一切不可、指定された日時に必ず受けろというもの。
初回の接種日がカウンセリング予約日の前日に指定されたため、
副作用で直前にキャンセルするのは申し訳ないので、
事前にキャンセルをお願いした。
「次の予約についてはまた改めてご連絡します」と添えて。
カウンセリングをキャンセル出来たことに、少しホッとしている自分がいた。
もう行くのがしんどい…。
だからこのまま、次の予約をせずフェイドアウトしようと思った。
何かをやめたいと思った時、いつもこういうやり方をしてきた。
「やめる」とはっきり言い辛い。だから次もあるフリをして、そのまま連絡しない。
大抵、先方から連絡が来ることはない。
でも先生の場合は、
翌月「今月のカウンセリングはどうされますか?」とメールが来た。
…連絡をくれたなら、きちんと対応しなきゃいけない。
これが最後…と、次のカウンセリングの予約をした。