面接会場として指定されていたのは、古くて薄暗いビルの貸会議室だった。
勝手がわからず、とりあえず廊下で待っていたけど、
時間になっても医師が来ない。
不安な気持ちがますます募る。
結局、予定時間を20分ほど過ぎた頃に医師がやって来た。
詫びることなく「こういうのは初めてだから…」と
この状況に戸惑っている様子。
…こっちだって初めてですが。
会議室内、長方形に配置された机の1番遠い位置に向かい合って座る。
とりあえず依頼されたから仕方なしにという感じで質問される。
私の気持ちの落ち込みの原因は会社が全てではないだろうけど、
会社のストレスチェックの結果ここにいるので、仕事の話を中心に話す。
最終的には医師の判定が必要。
「どう書いたらいいかな?」
…私が決めることじゃないと思いますが。
グダグダしたやり取りの結果、薬による治療よりも
カウンセリングを受けてみた方がいいのではという結論になった。
医師はこんなもんでいいかなと切り上げ、面接終了。
勇気を振り絞って面接を申し込んでみたけど…所詮こんなもの、か。
後悔はしていない。
今後、ストレスチェックの度に悩む必要はなくなる。
だけど…圧倒的な虚しさに襲われる。
何かしら救われる方法が示されることを期待してたけど…
そんなのなかったんだな…。