ちょい美術好きの私が、初めて読んだ原田マハさんの本は『楽園のカンヴァス』。
アンリ・ルソーの名画にまつわる、アートミステリ。
これってどこまで史実でどこからフィクション?
こんな面白いジャンルがあるなんて!と大興奮しながら一気読みした。
それ以来、ちょこちょこ読んでいて…今数えたらまだ10冊程度だったけど![]()
今回読んだのは『美しき愚かものたちのタブロー』。
国立西洋美術館の礎、松方コレクションの誕生秘話。
本の感想を書くと、読解力のない私のアホさ加減を晒すのですが…![]()
面白かった…けど…渋かった…。
主要な登場人物ほとんどおじさん…。
今のところ、原田マハさんの本を読んで後悔したことはない、
安定した面白さがあるので、期待値も高くなるんだな。
ってことを踏まえて…。
ネタバレ感想
↓
この本の前に読んだのが『リーチ先生』で、あまり興味のない陶芸家の話で、
やはり主要な登場人物はほぼ男性で…面白かったけど、渋かった。
リーチ先生を尊敬し、付き従う亀之助と、
松方幸次郎を尊敬し、付き従う田代がどうもかぶってしまったなー。
現在から過去を順に追っていくのもいつもながらの構成で、
芸術を扱ったジャンルでも、違う構成を読んでみたいなと思ったり。
(『旅屋おかえり』や『キネマの神様』は違った)
そしてストーリーの盛り上がりがもう一声欲しかった。
史実に基づいてるからどうしようもない部分ではあるのだけど。
この展開なら、最後、田代の尽力によって、ゴッホの『アルルの寝室』が、
サプライズ的なりどんでん返し的に返還された!…とか。
いや、現実は返還されてないから
そこを返還されたことにしたらフィクションではなく嘘になり、
途端に冷めてしまうから、それを望んでるわけではないのだけど…。
ああ、矛盾…![]()
史実に基づいてるんだから、それを逸脱しない範囲で
めいっぱい面白い作品だった、と自分で悟ったところで、感想おしまい![]()