湿度も高く、生暖かい感じ。
車を運転しない娘は合羽を着て、自転車で出勤していきました。
今日は、お客様からお預かりした着物を解きました。
解いた端切れをハヌイして一反の反物に戻して洗います。
それを針の付いた竹ひごや張り板にピンと張り(「しんしばり」と言います)、
シワを伸ばしながら乾かしていく方法が洗い張りです。
絹物は、水洗いするたびに生き返り、元のハリと光沢を取り戻し、
染めた色も鮮やかに戻ってくる素材です。
洗い張りをすれば、柄によっては生地の前後左右を入れ替えたり、
紬などは裏表を逆にすることもできるといいます。
着物は高価なものですが、こうして何度も息を吹き返しながら長い間お使いいただけます。
本当に、水を通すとつやっつやに生き返ります。着物って不思議!
絹の特性ですよね。
午前中に私が一枚紬の着物をほどき、
午後から母が一枚小紋を解いてくれました。
汚れも落ちるし、仕立てた筋もあらかた消えます。
お二方ともに今のご自分の寸法に仕立てられます。
無駄な糸が全くなくて、緩急付けた上手な仕立てでした。
要所要所は細かく丁寧な縫い方で、あまり力のかからない所は普通の縫い目。
これなら、生地も傷みません。
午後から、色無地をお預かりしました。
一枚は八掛の交換です。
後の二枚は裄丈の直しです。
裄丈とは、腕の長さと言いますか、ね。
そこを広げる加工です。
かなり、長くするときは、袖巾も出しますし、肩巾も出します。
その方法によって加工代金が変わってきます。
長くした後、もとの仕立てた筋を消す「筋消し加工」も行います。
どちらにしても、長襦袢とセットで直すことが大切。
ご自分の長襦袢に着物を合わす場合は 着物だけの直しでOKです。
裄丈直しは、お母様のお着物を お嬢様がお召になるときよく、行います。
そうすれば、着物はすぐ、着られるようになりますので、
決してあきらめないでくださいね。
そうはいっても、着物の巾以上に裄丈を長くすることはできません。
出来る範囲でご相談させていただいています。
気軽にご相談くださいね。
今日は、洗い張りと裄丈直しのお話でした。