洗い張りと 裄丈直し | 徳島卸問屋 山善 哲代(てるよ)女将のぽっかぽかブログ

徳島卸問屋 山善 哲代(てるよ)女将のぽっかぽかブログ

着物の先生、てるよ女将山口哲代です。着付け講師、着物再生、着物の整理収納が得意な 呉服卸(株)山善の二代目女将です。
女将の日常や大好きな茶道や読書、日々の出来事を綴っていきます

今日は、雨の徳島市でした。
湿度も高く、生暖かい感じ。
車を運転しない娘は合羽を着て、自転車で出勤していきました。

今日は、お客様からお預かりした着物を解きました。
解いた端切れをハヌイして一反の反物に戻して洗います。
それを針の付いた竹ひごや張り板にピンと張り(「しんしばり」と言います)、
シワを伸ばしながら乾かしていく方法が洗い張りです。

絹物は、水洗いするたびに生き返り、元のハリと光沢を取り戻し、
染めた色も鮮やかに戻ってくる素材です。
洗い張りをすれば、柄によっては生地の前後左右を入れ替えたり、
紬などは裏表を逆にすることもできるといいます。
着物は高価なものですが、こうして何度も息を吹き返しながら長い間お使いいただけます。

本当に、水を通すとつやっつやに生き返ります。着物って不思議!
絹の特性ですよね。
午前中に私が一枚紬の着物をほどき、
午後から母が一枚小紋を解いてくれました。

洗い張り
汚れも落ちるし、仕立てた筋もあらかた消えます。
お二方ともに今のご自分の寸法に仕立てられます。

無駄な糸が全くなくて、緩急付けた上手な仕立てでした。
要所要所は細かく丁寧な縫い方で、あまり力のかからない所は普通の縫い目。
これなら、生地も傷みません。

午後から、色無地をお預かりしました。
一枚は八掛の交換です。
後の二枚は裄丈の直しです。
裄丈とは、腕の長さと言いますか、ね。
そこを広げる加工です。
かなり、長くするときは、袖巾も出しますし、肩巾も出します。
その方法によって加工代金が変わってきます。

長くした後、もとの仕立てた筋を消す「筋消し加工」も行います。

どちらにしても、長襦袢とセットで直すことが大切。
ご自分の長襦袢に着物を合わす場合は 着物だけの直しでOKです。

裄丈直しは、お母様のお着物を お嬢様がお召になるときよく、行います。
そうすれば、着物はすぐ、着られるようになりますので、
決してあきらめないでくださいね。

そうはいっても、着物の巾以上に裄丈を長くすることはできません。
出来る範囲でご相談させていただいています。

気軽にご相談くださいね。

今日は、洗い張りと裄丈直しのお話でした。