一月に読んだ本 | 徳島卸問屋 山善 哲代(てるよ)女将のぽっかぽかブログ

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着物の先生、てるよ女将山口哲代です。着付け講師、着物再生、着物の整理収納が得意な 呉服卸(株)山善の二代目女将です。
女将の日常や大好きな茶道や読書、日々の出来事を綴っていきます

2016年1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:3546ページ
ナイス数:217ナイス

人魚の眠る家人魚の眠る家感想
子供の脳死とは、臓器提供とは。漠然とは考えるけれど、ここまで深く掘り下げて考えたことは無かった。薫子のように経済的にも気持ちも強くないので同様には考えられないけれど、本当に難しいと思う。いつ、「脳が死んだ=死」とあきらめられるのだろうか。実際に子供さんの臓器提供を決意されたご両親は、どんなに辛かっただろう。ひしひしと自分の事のようにリアルに考えさせられた。障害児教育に携わることの覚悟のようなものも、よく伝わった。それに、この本には最後に救いがあったのがよかったです。東野さん、やっぱり、好きです。
読了日:1月26日 著者:東野圭吾
純愛小説 (角川文庫)感想
「篠田さん=少し難しい」イメージでしたが、この本は全く作風が異なりました。大人の目から感じた「愛」に関する4つの短編集でした。どれもすんなりとはいかない話ばっかりですが、私は本の題名にもなっている「純愛小説」が一番好き。「愛」と「憎」は、表裏一体、紙一重。愛が深いほど、憎しみも深くなる人間の業が、よく描かれていた。「鞍馬」と、「蜂蜜色の女神」はせつなかった。知恵熱は子供を見守る両親の気持ちが痛いほどよくわかった。目の前にそのシーンが浮かんでくるように描かれた短編集だった。
読了日:1月25日 著者:篠田節子
くまちゃん (新潮文庫)感想
彼氏・彼女に振られる話が、主人公を変えながら続いていく。なのにからっとしていて、湿度は高くないので読みやすかった。主人公の年齢が本の終わりに向けて自然と上がっていくとともに恋愛や結婚、仕事に対するとらえ方が変化していくのも面白い。時代は変化したんだなぁ~と、感慨深く読んだ。振られ小説だけれど、仕事に対する向き合い方も描かれていて良かった。「乙女相談室」で、離婚から立ち直れなかった主人公。その最後の立ち上がり方がとてもよかったです。
読了日:1月23日 著者:角田光代
約束の森 (角川文庫)感想
初沢木さん。とても長いハードボイルド小説。赤の他人の3人が絆を結んでいく様子が良かった。マクナイト(犬)と主人公の絆も、熱い。でも、殺人シーンがおどろおどろしい。最後の方は、「結末はどうなるの?」とばかりに、ぶっ飛ばして読んだので、少し混乱気味。後半をもう少しゆっくり落ち着いて読んでみたいと思う。
読了日:1月18日 著者:沢木冬吾
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)感想
はぁ~、こうなるんだぁー!!やっぱり、びっくりさせられました。二度三度読み直したくなる気持ち、わかるわぁ~。私に刷り込まれていた常識の壁は、大きいんだなぁ。(これ、ヒント)物語が、昔に帰ったり、今に戻ったり。それもトリックなのかな。面白かったです。
読了日:1月13日 著者:歌野晶午
水底フェスタ水底フェスタ感想
すぐに読めるし、読みだしたら止まらない。でも、読後感、暗し・・・。目の前に映像が浮かぶような筆致だった。村って、こんなもの?って、リアルに目に浮かぶだけに思ったけれど、これは虚構。実際には考えれられない。でも、夜読んだから、まぁ、寝付きにくかった・・・。なんとも、閉じた感じが暗い。辻村さんの新たな一面を垣間見た気がします。
読了日:1月11日 著者:辻村深月
まぼろしのパン屋 (徳間文庫)感想
初松宮さん。三つの短編。全く異なる三編でさくさく読めた。美味しそうなパンが沢山出てきて、お腹が空いた。パンって奥が深いんですね。読後感もよかったです
読了日:1月8日 著者:松宮宏
王妃の帰還 (実業之日本社文庫)感想
読み始めてすぐは、中学生の少女たちのグルーブ派閥の話か~、だるいなぁ、最後までよめるかしら?と、思っていたのだが、結構内容も深く、しかも純粋さは失われず、わくわくして、あっという間に読めた。柚木さんは、「ランチのあっこちゃん」や、「あまからカルテット」に続いて三冊目だが、一番初期の作品らしく、今まで読んだ作品とは、作風が異なっていた。ああ、こんな時代(中高時代)も確かにあったなぁ~と、振り返えられる作品だった。
読了日:1月7日 著者:柚木麻子
スープ屋しずくの謎解き朝ごはん (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
初、友井さん。夕食後に飲んだにも関わらず、美味しいスープが飲みたくなって困った。 ポトフや、クラムチャウダー、絶対作ろう!と、決心した。現代人は。非常に疲れている人が多いのかも。胃痛を抱えながらもみんながんばっているのかな。麻野さんにも理恵さんにも幸せになってほしいと思う。スープ、侮るなかれ。深いなあ~。
読了日:1月5日 著者:友井羊
WE LOVE ジジイ (文春文庫)感想
初、桂さんの本。東京で広告のコピーライターをしていた主人公が後輩を自殺で亡くし、自分のせいだと思い、仕事もやめ、妻とは離婚して田舎暮らしを始める。そこで村の人々とふれあい、再生していく物語でした。本当に胸が熱くなり、読後感最高!もっともっと読んでほしい本だなぁ~。桂さんの「県庁の星」は、映画化されましたよね。さわやかな作家さんに巡り合えてうれしいです。他の本も読んでみたいなぁ~。本年第一冊目にこの本を読めて、幸せいっぱいです。桂さん、ありがとう。
読了日:1月2日 著者:桂望実

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