朝ドラソニー・ミュージックダイレクトより 続き
まんさくの花 音楽:桑原研郎 脚本:高橋正圀 1981年放送
 主人公は秋田から絵のために東京の芸大受験にやってきた高校生。不合格だったためクリーニング店で働きながら絵の勉強をするという話でした。今、私の一番観たい再放送希望の作品です。クリーニング店で知り合った従業員の男性と相思相愛になっていく過程にドキドキしながら観ていた覚えがあります。従業員の男性は養護施設出身だったり、主人公も養女だったりという環境があるものの、ドラマ全体としては暗すぎず明るすぎずちょうどいい塩梅で、ユーモアとペーソスがある楽しみなドラマでした。テーマ曲のことはすっかり忘れていましたがw私的には朝ドラ王道な作りだと思います。明るく、一生懸命というイメージです。
 
虹を織る 音楽:田中正史 脚本:秋田佐知子 1980年~81年放送
 この作品も好きで観ていました。主人公は戦前、宝塚音楽学校への入学を目指し合格。厳しいレッスンを乗り越えて切磋琢磨し宝塚歌劇団へ。そして退団後は確か医師と結婚するという話でした。生徒時代のエピソードがバレエのレッスンなど本格的で興味深かったです。やはり宝塚音楽学校の中ってどんなのだろうと気になりますから。主人公の生徒時代の友人に当時歌劇団に所属していた毬谷友子さんが出演されていて、その時に名前を覚えた方です。とても可愛かったです。宝塚の学校の話に実際の宝塚の人が出演しているのは当時話題になったと思います。結婚する相手役が土門峻さん。当時この方のファンでした。
 しかしなぜかこの相手役の母親役がミヤコ蝶々さん。確かに大阪制作でしたけれど、ここでミヤコ蝶々さんを使うのかと意外なキャスティングでした。テーマ曲はワルツ調で、明るく優雅な感じ。宝塚で表現される芸術がテーマ曲のコンセプトだったのかもしれません。
 
なっちゃんの写真館 音楽:宮本光雄 脚本:寺内小春 1980年放送
 チャカポコが鳴るウキウキしたメロディが流れてくるテーマ曲。これもすっかり忘れていたテーマ曲でした。ちょっとサザエさん風味の音楽ですね。戦時下、明るい主人公が女性カメラマンを目指す物語。相手役が滝田栄さんでしたが、寡黙で落ち着きのあるかっこいい役だったと記憶しています。役所広司さんが主人公と絡む兵隊の役で出ておられてて、無名塾に在籍中だったのか卒業した頃なのか。このドラマがテレビデビューだったんですよね。そういったことも懐かしく思い出されます。
 
鮎のうた 音楽:小倉博 脚本:花登筺 1979年~80年放送
 好きなテーマ曲です。琴?なのか弦楽器の音色が印象的に響いていて、まるでサラサラと流れる川の水のよう。なかなかとインパクト強めのメロディです。内容は、大阪・船場の糸問屋に奉公した主人公がいじめに遭いながらも、自分の器量で周囲に力を認めさせ、糸問屋の主人になるまでを描いています。「細腕繁盛記」や「どてらい男」で有名な花登筺さんですが、私が初めて花登作品を知ったのはこの「鮎のうた」でした。苦境に立たされる主人公が知恵を駆使し、乗り越えていく様は面白いというよりは人生の為になり見ごたえがありました。それこそ学生時代のドラマなので、必ず次回を観れるわけではなかったので、親にどうなったのかと聞いていたように思います。ミヤコ蝶々さんをはじめ、関西の上手い役者大集合という感じでした。こちらもぜひ再放送をと願う作品です。
 
マー姉ちゃん 音楽:大野雄二 脚本:小山内美江子 1979年放送
 すっかり忘れていたテーマ曲でしたが、これも大野雄二さん作曲なんですね。口笛が鳴る軽やかなメロディー。スキップしているような快活な感じがします。この賑やかな一家を象徴したテーマ曲なのかも。サザエさんを描いた長谷川町子さんと家族をモデルにした作品です。放送当時は導入部分の町子さんのお姉さんの油絵入選の話と、サザエさんを単行本にして世に出したら判型が受け入れてもらえず、返本騒ぎになるところを観た程度でした。2021年に再放送があり、全話観ました。女所帯の明るい一家が周囲の人に愛されるところがかなり強調されていますが、時々生きづらさを抱える心優しい知人(山口崇さんが演じた)の存在を差し挟むところがドラマの重しになっていたように思います。日下武史さん、フランキー堺さんも観られてよかったです。
 
わたしは海 音楽:南安雄 脚本:岩間芳樹 1978年~79年放送
 
おていちゃん 音楽:玉木宏樹 脚本:寺内小春 1978年放送
 女優の沢村貞子さんが原作の半生記。兄が坂東八十助坂東三津五郎)さん、弟が中村智太郎中村鴈治郎)さんが演じていて、この時のイメージが長く続いたものでした。浅草のべらんめえ口調の父親役を長門裕之さんが演じていて、このイメージもしっかり私の中に残っています。相手役の荻島真一さんがかっこよかったですね。芝居に一生懸命な主人公が当時の権力に抵抗するところを助ける存在だったと思います。結ばれそうで結ばれなかったと記憶していますが…。テーマ曲は覚えていなかったのですが、今回かなり新鮮に受け止めました。最初にジャブ的に音が入り、しっとりと穏やかに始まります。途中から哀愁調に変わり、そしてまたしっとり系に戻りそのままラストへ。下町・浅草のイメージからは程遠く、地味な感じですが狙っていないところがイイと思います。1分20秒ほどのマジックですね。
 
風見鶏 音楽:奥村貢 脚本:杉山義法 1977年~78年放送
 
いちばん星 音楽:小森昭宏 脚本:宮内婦貴子 1977年放送
 昭和の流行歌手の佐藤千代子のフィクションを交えた半生記。このドラマを結構覚えているのは、主人公役を演じた高瀬春奈さんが途中降板、後を五大路子さんが引き継いだからです。昨今色々と降板劇はありますが、当時は朝ドラということもあり話題になりました。小学生が覚えているぐらいですから(^^; でも違和感とかは感じなかったように思います。
 実在の歌手をモデルにしているため、他の登場人物も実在の人で、野口雨情(柳生博)、中山晋平(津川雅彦)が出てきました。この柳生博さんが演じた野口雨情を覚えていて、「波浮の港」はこのドラマで知ったようなものです。この歌好きなんですよね。地方から出てきた主人公が世に出るまでに歌のレッスンに励む場面など、歌に関するシーンを覚えている程度です。テーマ曲はやはり覚えていませんでしたが、活気があって、これも朝ドラ王道的なメロディのように感じます。
 
火の国に 音楽:田中正史 脚本:石堂淑朗 1976年~77年放送
  熊本・阿蘇が舞台で、鈴鹿景子さん、山内賢さんが出演しているという情報ぐらいで内容はほとんど覚えていないのですが、今回CDを聞いたらこれもまたテーマ曲が好きになりました(*^^)v ロシア民謡っぽいっていうんですかね。なぜこれになったのか…と不思議なんですが、NHK放送史サイトで3分半ほど紹介している動画を観ると、阿蘇の山や馬がいる草原をバックにこのメロディが流れていました。この風景だったら壮大なイメージでメロディを作ると思いますが、あえて逆をいっているんでしょうか。でもユニークなテーマ曲です。ドラマの内容は、造園師を志す物語だったそうです。
 
雲のじゅうたん 音楽:坂田晃一 脚本:田向正健 1976年放送
 大正・昭和時代に飛行操縦士を目指す女性の物語。これはわりと覚えている方です。秋田が舞台で主人公が夢を実現したいために頑固な父親と衝突する、結婚して息子が出来て同じ読み方の名前(漢字は違う)をつけること、その息子が戦死することなどです。時代的にはたくさん悲劇が描かれていたと思いますが、楽しかった印象が強いドラマです。テーマ曲はこれもまた全然覚えていなかったですが、聞いてみると親しみやすいメロディですね。笛(オカリナ?)を使って優しい感じがします。おしんの坂田晃一さんが作曲していますが、おしんとは全くテイストが違っています。作曲家ってこんなに色々とバリエーション豊富に作れるものなんですね。
 
おはようさん 音楽:奥村貢 脚本:松田暢子 1975年~76年放送
 
水色の時 音楽:桑原研郎 脚本:石森史郎 1975年放送
 
鳩子の海 音楽:冬木透 脚本:林秀彦 1974年~75年放送
 このブログに書いています。
 
北の家族 音楽:三枝茂章 脚本:楠田芳子 1973年~74年放送
 「鳩子の海」からしかはっきりと記憶にはないのですが、このドラマはうっすらと覚えています。ワンシーンぐらいしか覚えていないのですが。子供心にもちょっと暗い感じのドラマとして映りました。兄役の清水省吾さんをここで観ていたんですね。当時は本当に本当に子どもだったので名前を覚えてはいなかったと思います。暗い感じのドラマと書きましたが、半分当たっていると思うのはテーマ曲を聴いたからです。抒情的で、繊細で、まるで純文学のようなメロディです。確かに暗いけれどどっぷりこの切なさに浸かっていたくなるような気持ちにもなります。私的にはまたしても!三枝茂章さんでしたw いろんな技を見せてくれる三枝さんの作るメロディは良いですね。
 
藍より青く 音楽:湯浅譲二 脚本:山田太一 1972年~73年放送
繭子ひとり 音楽:柳澤剛 脚本:高橋玄洋 1971年~72年放送
 音楽:広瀬量平 脚本:田中澄江 1970年~71年放送
信子とおばあちゃん 音楽:田中正史 脚本:井手俊郎 1969年~70年放送
あしたこそ 音楽:桑原研郎 脚本:橋田壽賀子 1968年~69年放送
旅路 音楽:依田光正 脚本:平岩弓枝 1967年~68年放送
おはなはん 音楽:小川寛興 脚本:小野田勇 1966年~67年放送
たまゆら 音楽:崎出伍一 脚本:山田豊・尾崎甫 1965年~66年放送
うず潮 音楽:田中正史 脚本:田中澄江 1964年~65年放送
あかつき 音楽:齋藤一郎 脚本:山下与志一 1963年~64年放送
あしたの風 音楽:斎藤高順 脚本:山下与志一 1962年~63年放送
娘と私 音楽:齋藤一郎 脚本:山下与志一 1961年~62年放送
藍より青く挿入歌「耳をすましてごらん」本田路津子
 
上記12作品はさすがに生まれていない年も入っているため書けませんw 山田太一さんが脚本を手掛けた「藍より青く」は有名ですが、ぜひ観たかった作品です。「おはなはん」も有名ですね。
以上、朝ドラとテーマ曲について書いてきました。長々と失礼しました(-_-;)
書いてみて思ったことは、「ひらり」以降の朝ドラの歌手による主題歌もいいけれどインスト時代の朝ドラもいいと再認識したことです。
時間が来ると必ずテーマ曲から始まり、出演者などの名前が流れ、本編が始まる。常にこの繰り返しです。前日の話がどんなに悲劇であっても、どんなに喜劇であっても変わらずこのスタイル。不思議と前日が悲劇の話だとテーマ曲は悲しく聞こえ、逆も同じです。メロディだけなのでこちら視聴者側が勝手にイメージを増幅させてしまうのだと思います。面白い効果ですよね。
メロディだけというのは地味な存在なのかもしれません。でも歌詞がなくても、きちんと言いたいことを伝えており、実に雄弁で私は自立していると思うのです。半年間毎日聞かせてくれるインストの朝ドラ、またぜひ復活してほしいものです。
          (Wikipedia、CDライナーノーツ、NHK放送史サイトを参照)