以前のオフィスでのこと。

 

「〇〇さんが3月で辞めると、突然言ってきたから。よりによってこんな時期に。さんざん目をかけてきたつもりが、裏切られた思いがする。」

 

私がカバーしていた役員の一人がこんな思いを私に漏らしました。

(秘書の前でこんな風に露わにご自身の感情を面にされる方は珍しくありません。)

「聞き流す」ことは、秘書の正式なJob roleには無いけれど大切なタスクのひとつです。

ですから、私もきっちり聞き流します。

 

が、やっぱりいつも逆流してきます。

 

転職を簡単に考える人などいません。

どんなに嫌いな会社でも、どんなにブラックな会社でも、会社を辞める、そう決意するまではみなさん悩みます。

✔もう少し我慢すべきじゃないのか。

✔新しい会社で今以上のキャリアアップができるのか。

✔新たな人間関係を構築できるのか。

✔案外今は恵まれているのではないか。

 

そんな葛藤を打ち破って、転職を決めていくのだと思います。

私自身も以前の会社を辞め、今の外資系企業に転職する際、かなり勇気を振り絞りました。

それでも前に進むことを決意し、一歩を踏み出し…今があります。

(ブラックでもなく、会社が嫌いでもなく、ひとえにキャリアを考えての転職です。)

 

自分の部下が、自分の将来と真剣に向き合い、新たな一歩を踏み出そうとしています。

そこに裏切るとか裏切らないとか…情けない。。。

 

たとえ、かりに、裏切られたとしましょう。

でも、裏切るには裏切るなりの思いがあったと、慮ってほしかったです。

そして「がんばれよ!」のひとことを贈ってほしかったです。

 

A leader is a dealer in hope.  (Napoléon Bonaparte)

リーダーとは『希望を配る人』のことだ (ナポレオン・ボナパルト)

 

人のことを言うのは簡単ですね。

けれどあの日から「応援できる人でありたい」といつも思っています。

 

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