母馬優先+最優先と言えばキャロット最強のカード、たとえ×なしでもこれで獲れない馬はいなかった。2018年までは。


2019年募集でバウンスシャッセ18が史上初めて母馬優先+最優先×0で抽選となり歴史が動く。その後も年に2頭ペースで当該条件での抽選となる馬が現れており、母馬優先+最優先×1でも抽選が発生するのは時間の問題かと思われた。事実、2024年募集の票読みではパッシングスルー、クルークハイトは確実、もしかするとシンハライトも、と予想されていた。



しかし2024年の結論として、母馬優先+最優先×1で抽選になる馬はいなかった。パッシングスルーとクルークハイトが母馬優先+最優先×0抽選となり、この2頭という結果は例年通りである。ただ、この条件には「母馬優先権を持っている人数自体が限られ、さらに5口制限がある」ことから、今後も抽選になることはない可能性が高い。


ここで近年のキャロット満口状況を振り返る。


2016: 初の全馬満口

2017: 年内に全馬満口

2018: 年明けに全馬満口

2019: 2次開始直後に全馬満口

2020: 1.5次で全馬満口

2021: 1次で全馬満口


2018年だけ減速しているが、おおむね加速している。さらに2022年には「1次募集の参加は既存会員のみ」というルール変更が行われ、これにより既存会員のみで1次全馬満口、すなわち新規入会完全お断りクラブの誕生かと思われたが、現実には5頭が2次募集に残るという大減速となった。

翌2023年も傾向はほぼ同じで、2次に数頭が残り、入会希望者がそれらを奪い合う、というところで一旦落ち着きを見せた。



そして2024年。非常に気になった事象としては、多くの馬が事前の票読みより1ステージ下での抽選になっている。

なぜそうなったのか? 票読みの精度は最終的に前年比でどれだけの申し込みがあるかの設定に大きく依存するため、一つは「申込数が前年を大きく下回った」ことが考えられる。今年は〆切2日前の申込数が前年比6%しかなく票読みを困難にさせたが、これも単純に申込数減少を示していたのかも知れない。



もう一つは「早期申込者が異常投票を行って他者を威嚇している」という理由である。これは妄想に近い考えだが、満口になれば5口制限があるため、極端な話199口申し込んで人気を装い、それ以上の申込を抑制することも可能である。



実際のところ申込数は減少しているのだろう。馬匹価格の高騰ももちろんだが、一般論としての物価高や景気の動向を鑑みれば、一口馬主に使う金額が増加する傾向になるとは到底思えない。

私も実際そうである。さらに金銭面に加えて、出資馬検討に割く時間が本業やプライベートに圧迫されてなかなか確保できない。



というわけで今年は3頭申し込んだところ全て当選。ご一緒の方いらっしゃいましたらよろしくお願いします。



シンハライト23

牝 父エピファネイア 栗・斉藤崇 8000万

母馬優先+最優先×0で無抽選当選。大方の予想ではこのステージは厳しい抽選と見られていた。ツアー等の評判が高かったようで、母馬優先なしの場合×2抽選という超絶人気に。



ミリッサ23

牝 父サートゥルナーリア 栗・杉山晴 4000万

母馬優先一般で抽選となったが当選。この仔もこのステージは低確率の抽選という予想だったが、実際の確率はどうだったのだろう。



エールデュレーヴ23

牝 父ブリックスアンドモルタル 栗・渡辺 3000万

一般無抽選。この価格帯で特別な瑕疵がない馬に残口が出るとは思わなかった。やはり肌感覚として申込数自体が少ない。



なお、先ほど2次募集対象馬が発表された。


2022: 5頭

2023: 3頭

2024: 10頭


明らかに既存会員の出資数が減少しているが、それにより新規入会への間口が広がったことになる。既存会員の購買力が強いうちは新規入会をほぼ断り、購買力が下がれば新規を多く入れる、現行システムは調整弁としてうまく機能しているということになるだろう。