ペーター・シュルツ 「月は昇りぬ」(夕べの歌) | クラシックばっか 時空間

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 今日 6月10日は、ドイツの作曲家 ヨハン・アブラハム・ペーター・シュルツ(1747~1800)の命日である。

  ペーター・シュルツは、リューネヴェルクに生まれ、幼年期に地元のオルガン奏者に基礎を学ぶ。1765年、大バッハの弟子でありベルリンの作曲家で音楽理論家のヨハン・フィリップ・キルンベルガー(1721~1783)に師事する。

 その後、師のキルンベルガーの推薦により1768~73年にポーランド皇女の音楽教師となり、76~80年までベルリンのフランス劇場の指揮者。1780~87年にラインスベルクのハインリヒ公付きの楽長を務め、1787~95年までコペンハーゲンの宮廷楽長を務めた。

 作品には、歌劇をはじめ劇付随音楽、教会音楽(オラトリオやカンタータ)、歌曲(「民謡による歌曲集」)、器楽曲などがある他、師のキルンベルガーの著書『和声法の基本原理』の編集やヨハン・ゲオルク・ズルツァーの『音楽概論』を執筆している。

 今日ご紹介する歌曲「月は昇りぬ」(月は昇りて)(Der Mond ist aufgegangen)は、ドイツの詩人マティアス・クラウディウス(1740~1815)の作詞に曲付けしたものである。(以前ご紹介したシューベルト(1797~1828)のリート(ドイツ歌曲)「死と乙女」作品7-3 D531 は、マティアス・クラウディウスの作詞によるものである。)
 以下に歌詞の「2番」までの対訳を記す。

(ドイツ語/日本語対訳)

 Der Mond ist auf gegangen 「月は昇りぬ」

Der Mond ist auf gegangen
die gold´nen Sternlein prangen
am Himmel hell und klar
Der Wald steht schwarz und schweiget
und aus den Wiesen steiget
der weiße Nebel wunderbar    

月は昇った
小さな金色の星が輝く
天に明るくはっきりと
森は真っ暗で静かにたたずむ
そして 川辺の低地より上ってくる
不思議な白い霧

Wie ist die Welt so stille
Und in der Dämmerung Hülle
So traulich und so hold
Gleich einer stillen Kammer
Wo ihr des Tages Jammer
Verschlafen und vergessen sollt

何という静かな世界
薄明かりのベールに包まれ
安らぎや いとおしさを与えるように
平穏な部屋のように
その日の悲惨さがどうあろうと
あなたは眠り その悲惨さから離れそれを忘れる


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□1□(演奏時間:約4分)
■1■「月は昇りぬ」□ ▶ Johann Schulz - Der Mond ist aufgegangen {Dresden Kreuz Choir} - YouTube


□2□(演奏時間:約3分)
■2■「月は昇りぬ」□ ▶ Dresdner Kreuzchor (17. März 2012) - "Der Mond ist aufgegangen". - YouTube


□3□(他1曲)(演奏時間:約3分)
■3■「月は昇りぬ」・他1曲 □ ▶ Regensburger Domspatzen(2011) - Der Mond ist let aufgegangen - YouTube