今日 4月3日は、グリーグの「ピアノ協奏曲」イ短調 作品16 の初演日である。
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■エミール・ギレリス(Pf)
■2019/04/03 23:22
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エドヴァルド・ハーゲルップ・グリーグ(1843~1907)は、ノルウェーの作曲家である。ノルウェーの民族音楽から着想を得て曲を作り、彼は、国民楽派の作曲家として注目された。
グリーグは、スウェーデン統治下のノルウェーで、ベルゲン市街の家に5人きょうだいの第4子として生まれた。父方の曾祖父アレクサンダーは1779年にノルウェーに帰化したスコットランド人である。
15歳の時、ヴァイオリニスト、オーレ・ブル(1810~1880)に才能を見出され、3年半の間ライプツィヒ音楽院で作曲とピアノを学ぶ。
1863年から3年間、デンマークのコペンハーゲンに居住し、作曲家ニルス・ゲーゼに学んだ。ここで、交響曲(作品番号なし)、ピアノ・ソナタ(作品7)、ヴァイオリン・ソナタ第1番(作品8)など初期の作品が作られた。
また、従妹でソプラノ歌手のニーナ・ハーゲルップと1867年に結婚。後の歌曲は、ほとんどニーナ夫人のために作曲された。
本「ピアノ協奏曲」イ短調 作品16は、グリーグが完成させた唯一の協奏曲ある。25歳のとき(1868年に)デンマークのSollerod(Søllerød)市に訪問している間に作曲された彼の初期の傑作である。
初演は、1869年の今日、4月3日、コペンハーゲンにてエドムント・ネウパルト(1842~1888)を独奏者として行われ、大成功を収め、その時のピアノ独唱者ネウパルトに献呈された。
1780年(27歳の時)に、ローマに2度目(1度目は1865年)の訪問をし、当時59歳であったフランツ・リスト(1811~1886)に面会し、本ピアノ協奏曲を持参した。その時リストは、初見で本曲を演奏してから本曲を絶賛し、今までの作曲方針を変えることなく一途に邁進するようにグリーグを激励したとされる。
グリーグはその後出版社からの依頼を受け、1883年ごろに2番目のピアノ協奏曲を書こうとしたが、スケッチは残しているものの、書き上げられず、代わりにこの曲に何度も改訂を行っている。
現在演奏されるのはグリーグの最晩年である1906年から1907年頃改訂され、1917年に出版されたものである。初期版と曲想の大きな違いはないが、楽器編成が異なり、独奏と管弦楽譜で400か所以上の変更点があるとされる。数あるピアノ協奏曲の中でも、非常に人気の高い曲であり、またグリーグの代表作である。
本「ピアノ協奏曲」は、全3楽章からなり、楽曲構成は以下の通りである。(なお、第1楽章冒頭の印象的なティンパニのクレッシェンドに導かれて演奏が始まるピアノの流れ落ちるようなフレーズは、フィヨルドに注ぐ滝の流れを表現したものともいわれている。)
・第1楽章:Allegro molto moderato
(アレグロ モルト モデラート)
非常に速く 中くらいの速さ
イ短調 4/4拍子 ソナタ形式
・第2楽章:Adagio(アダージョ)ゆるやかに
変ニ長調 3/8拍子 複合三部形式
・第3楽章:Allegro moderato molto e marcato
(アレグロ モデラート モルト エ マルカート)
allegroとmoderatoの中間の速さで
非常に そして はっきりと
イ短調 2/4拍子 ロンドソナタ形式
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□1□(動画)エミール・ギレリス(演奏時間:約32分)
■1■ 「ピアノ協奏曲」イ短調 作品16 □ ▶ Emil Gilels - Grieg - Piano Concerto in A minor, Op 16 - YouTube
□2□(動画)ハンネス・ミナー(演奏時間:約29分)
■2■ 「ピアノ協奏曲」イ短調 作品16 □ ▶ Grieg: Pianoconcert - Live HD Concert - Hannes Minnaar - Limburgs Symfonie Orkest olv. Otto Tausk - YouTube
□3□ アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ
(演奏時間:約27分)
■3■ 「ピアノ協奏曲」イ短調 作品16 □ ▶ Edvard Grieg - Piano Concerto in A minor - YouTube