スクリャービン 「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 | クラシックばっか 時空間

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 今日 2月11日は、スクリャービンの「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 の初演日である。

 アレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービン(1872~1915)は、ロシアの作曲家であり、ピアニストである。

 本曲は、1892年の夏の初め(20歳の時)に短期間で書かれ、初演は、1894年の今日、2月11日にペテルブルグにおいて作曲者自身により行われた。

 この作品が書かれた頃、スクリャービンは、ピアノの過度の練習により、右手を痛めていて、医者にも見放されてしまっていた。一説によるとミリイ・バラキレフ(1837~1910)の「イスラメイ(東洋風幻想曲)」(ピアノ曲史上、最も演奏至難な一つとされる独奏曲)の練習のし過ぎとされる。(故障した右手は、後に完治している。)

 当時のスクリャービンの手記には、以下のような苦悩に満ちた状況の言葉が散見できる。「二十歳の時、私の生涯の最も重要な出来事 ・・・手の痛み。究極の目標《栄光・名声》への障害。医者は不治と言う。・・・教会へ行き熱心に祈る。」

  また、本「ピアノソナタ」の計画を記したメモには、以下の標題的な言葉が記されている。

1.善・理想・真実、彼方にある目標 
2.上記の目標達成に失敗した絶望。神への反論。
3.私の内なる理想への探求
4.自由への学問的基礎
5.宗教

 上記のうち、「4」を除けば、そのまま本曲(善4楽章)が表現する内容に沿っていると言っても過言ではない。(ショパンの影響が随所に見られるとされる。)


・第1楽章:Allegro con fuoco(アレグロ  コン フォーコ)
          快活に速く 火のように
          ヘ短調 9/8拍子 ソナタ形式

・第2楽章:(Andante)(アンダンテ)歩くような速さで
          ハ短調 4/4拍子 三部形式 

・第3楽章:Presto(プレスト)きわめて速く
          ヘ短調 12/8拍子  ロンド形式

・第4楽章:Funebre(フーネブレ(伊語)、フェネブル(仏語))
          しめやかに、悲しく(葬送)
          ヘ短調 4/4拍子 三部形式


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□1□(演奏時間:約22分)
■1■ 「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 □ ▶ LAZAR BERMAN plays SCRIABIN Piano Sonata No.1 Op.6 COMPLETE (1977) - YouTube


□2□(演奏時間:約24分)

■2■ 「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 □ ▶ Scriabin - Maria Lettberg (2004-7) Sonata n° 1 in fa minore op 6 - YouTube


□参考動画A-1□(第1楽章)(演奏時間:約8分)
■参考動画A-1■(第1楽章)「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 □ ▶ Alexander Kobrin: Scriabin - Piano Sonata No.1 in F minor, Op.6 (movement 1) - YouTube

□参考動画A-2□(第2~第4楽章)(演奏時間:約15分)
■参考動画A-2■(第2~4楽章)「ピアノソナタ第1番」ヘ短調 作品6 □ ▶ Alexander Kobrin: Scriabin - Piano Sonata No.1 in F minor, Op.6 (movements 2 - 4) - YouTube


(※ スクリャービンに関する参考記事)

・2013年01月06日
■「ピアノソナタ 第2番」嬰ト短調《幻想ソナタ》作品19■