子宮ヘルニアというものがあるらしい。正確なことはわからないけれどヘルニアと言うからには子宮が飛び出しているのだろう。
母が子宮ヘルニアになり手術をすることになった。
手術は無事終わり、私と父はドラマや映画によくある腎臓の形をした銀色のトレイに乗せられた子宮を見せられた。
そこに精液を注ぎ込んだ男とそこから出てきた男が焼肉屋で塩ホルモンを頼んだ時に出てくるような随分小さな物体を呆けたように見つめる。
「痛い痛い」とうわごとのように叫ぶ母を後に病室を出る。
「まあ、あれだ。今日はありがとう」
父が済まなそうに言う。
「無事に終わってよかったよ」
わたしはそう言って病院を後にした。