お風呂からあがって、タオルで髪を乾かしながら、
まっすぐ彼の前に向かっていった。

「はやいね」

「はやくしろっていうから」

ベッドに腰かけ、体を捻るようにして見ていたテレビから顔をあげて笑う。
足と足の間に入り込み、
彼の髪に指を通すと、私と同じシャンプーの香りがした。

ベッドに右膝を乗せ、
「映画でも見る?」と聞いた。
彼は背中に手を差し込んで、抱き寄せながら、
「いやだ」と言った。

「いいから早く、こっちに来てよ」

「もう、充分近いのに」

幾夜も繰り返したやりとりを、
私は、永遠に続けたい。

「もっと」

子供のように私に抱きついた彼に導かれて、
私はそのまま倒れ込んだ。

湿ったタオルがばさりと床に落ちた。