後輩が、私のことを知りたがる。
梨本さんみたいに。

「学生のときは不良ですか?」

「え、まじめだよ。
決めつけないでよ。
生徒会とか入ってたよ。頭よかったから強制で」

「え!!蝶子さんの話ですか?」

「え、驚きすぎだよ。
逆に驚く」

「遅刻とさぼりってイメージでした」

「結構失礼なんだね。
ほんとにあたしのこと好きなんだよね。
でも確かに違反とか結構してたから、生徒会のメンバーからよく怒られてたよね」

「あ、それです。わたしが知ってる蝶子さんは」

「校内ですれ違ったら誰にでも挨拶するとか、
通学路以外の近道して帰っちゃダメとか、無理でさぁ。
一度、デートがあったから、生徒会の会議をサボって近道して帰ってたのね。
そしたら会議がはやく終わったらしくて後輩がうしろにいて見つかっちゃって。
全力で逃げたのよ。クラスで一番足遅かったけど、必死で。
だけど野球部とサッカー部の子でさぁ。
『蝶子さん、だめっすよ』っていいながら追いかけてきたんだけどめっさはやいの。
でもつかまったらデートに遅れるじゃない。
あのときはよりはやく走れることは二度とないと思う」

「…」

「次の日同級生の生徒会長に呼ばれてさぁ。
お前やる気あんの?って怒られたよ。
あいつらチクりやがって。
だから、あとから呼び出して、二度と追いかけたりチクったりすんなよ、っていったら、
またチクられて怒られたんだ」

「まぁ、そうでしょうね」

「でも結構人気者だったと思うよ。
卒業のときも寄せ書きにたくさんかいてあったし。
ちょいちょいため口で気になったけど」
「舐められてるじゃん!」

「お前もな」


今日も二人でおいしく呑みました。