ノートを開くとずっと前のレシートが出てきた。
見るとラブホテルのものだった。
このホテルに行った彼氏と別れたのはいつだったか。
もう、ずっと前のことのように感じるけれど、
数えてみれば2か月前のことだ。
年が一つ下だった隆二君、というその元彼氏は、
私にうんとやさしくしてくれたが、
別れるときは案外あっさりと、もう好きじゃない、と言われてしまった。
レシートをしっかり畳んで、それからゴミ箱に捨てた。
一年以上付き合って、私も納得の上別れたから未練はなかったけれど、
ふっと、死んでしまいそうなさびしさに襲われたりした。
携帯を開いてアドレス帳を漁る。
『さびいしい気分。』
そう一言だけ書いたメールを送る。誰に送ろうか迷ったが、
隣のクラスの男の子に送ることにした。
昨日、昇降口のあたりで少し話したとき、
今度マンガを貸してくれると言っていた。
こういうときは男の子に限る、と思う。
どんなに心の内を話せる女友達にも、さびしさを埋めることはできないんじゃないかな。
『さびしくて、メールしてきたの?
俺もそんな気持だったよ』
メールはすぐ返ってきて、それから寝るまでの間ラリーのようなやりとりをした。
本当はこういうめんどうくさいの、嫌いだったのだけれど、
この頃は増えてきている。
たぶん、出会い系サイトにはまるようなかんじなんだろうな、と思いながら、
明日の放課後一緒に帰ろう、という誘いに乗った。
全部、思った通りの展開だった。
そういえば、けんしろうとこういうメールをしたことはないな。
なんか、そういう風には見えない。
というか、見てはいけない気がする。
言葉とか、体とかでつながりたくなかった。
気が合う、っていうそれだけでつながっていることが、
すごく気に入っていた。