恋人にはすぐに抱きつけるのに、友達にはそうはいかない。想いは強い。キスやセックスをするかわりに、どうやって気持ちを伝えればいいのだろう。




雪が降りそうだった。
酔っている体に冷たい空気が刺さるようだ。

「寒い」

コートの前をぐっと合わせながら半地下の店を出て階段を登る。

「ん。寒い」

前を歩く宮ちゃんが後ろにいる私に前を向いたまま手を出した。
私は、いけないと思う間もなくその手を握り、握ってからまたやった、と気づいたが遅かった。

店から駅までは三分ほどだ。

私たちは当然のように駅とは反対方向へ進み、回り道をするようにして歩いた。

宮ちゃんと私は劇的に気が合った。
恋愛関係ではない。
その方がいい、というところまで気が合った。