夕方が短くなって、夜が長くなるこの季節に、

空気はきゅんと冷たくなる。


そうちゃんと別れたのはちょうどこんな季節だった。

正確に言うと、別れたのはまだ暑さの残る九月で、

まる一か月、友達に大丈夫、大丈夫と言い続け、

ついに私に彼のことを尋ねる人もいなくなり、

真っ暗だった周りが見え始めて、

そうちゃんがいたときには気づかなかった恋人たちの多さが目につき、

もうすぐクリスマスだね、なんて話はじめた10月半ばが、

今とおんなじ匂いがしていた。



そうちゃんは、私のことを最後まで好きだと言っていた。

春にくれた手紙には、

「わがままなところがムカつくけど、ゆうこらしくて好きだよ」

と書いてあった。

そして、

最後に玄関のドアを開けようとしたときには、

「好きだよ。だけど、わからない」

と言っていた。



この時季のよそよそしくそっけない空気にあたると、

のどの奥からじわっと涙がにじんでくる。

唇を噛んで眉間に力を入れれば、

耐えられるくらいにはなっているけれど、

冬みたいにいじめるような寒さのほうが、ずっといいと私は思う。