入部してみると、そこはやはり地味で冴えないところだった。

活動は週二日、それも,来ても来なくてもいい。

全員が部活に入らなくてはならないうちの学校にはいくつかある、

幽霊部の一つだった。
部員はだいたい15人くらいいるようだったけれど、

いかにも真面目でお勉強が得意そうなか人が大半で、か

といって彼らが熱心に取り組んでいるわけではなかった。
意外にも活動をしているのは

部の中でも地球天体観測部とは無縁そうに美人の愛子先輩と

髪を染めてズボンをおろしてはいた垢ぬけた印象の冴川先輩だった。
二人は放課後の毎日をここで二人で過ごしているらしかった。

「うちら一年からずっと同じクラスなんだ」
「そうなんですかぁ」
「うん。修学旅行も体育祭も同じ班だったし、結局いつも二人なんだよね」

愛子先輩はころころと表情を変えながらよくしゃべる人だった。
新入部員歓迎会で自己紹介をしたときには、

しっかりと、けれど細い声で小さく名前をいうだけだった。

見た目の大人っぽさも相まって、近寄りがたいような、

自分とは共通の世界にいないようにもかんじたが、

実際に部活が始まって、初めは顔をだしていた一年生の多くが来なくなり、

ついには私だけになると、先輩はすぐにくったくなく話しかけてくれるようになった。


先輩は美人なのに、クラスにいる派手な女子のグループにいる子のような、

大人ぶったり強気に話したりするようなところがなくて、

私の話にも、驚いたり、喜んだり、

すごくかわいい人だった。

女の子とつるむことが億劫だった私も、

自分を繕うことなく、安心して話せた。