けんかにもならないくらい仄かな不穏な気配。

言葉もなく一緒にお風呂につかり、

体を洗いあって、

部屋にある空気を無言のうちに埋めていく。

Tシャツとパンツを身につけて、

雨を眺める彼の隣りに立った。


並んで彼の腕に腕をからめた。

少し体を寄せると、

セックスをしてつながっているときよりも、

ずっとぴったりくっついたように隙間なく体が寄り添い、

頭を肩にあずけると、

どんな瞬間よりも満たされた。

力の抜け切った体を、ゆったり支えてくれるこのからだの持ち主が、

本当に愛しかった。


それは、二人で一緒に見る最後の雨だった。