花の名前。こりゃだめになるな、 という予感があったのかもしれない。 私はたくさんの呪いをかけ続けていた。 何年もの間、 花の名前、雲の名前、 子供に九九を教えるように、 何度も何度も繰り返し、 傍らで唱え続けた。 そんなことをせずにはいられないほどに、 私は不安だったのだ。 彼には私の何が残るか。 彼は私を思い出すのか。 彼は私を知っているのか。 彼は私を好きでいるのか。 もちろん答えは、 私の心が示すとおり。