3.11大震災発生 その時・・・ | 栄永英幸オフィシャルブログ「スポーツを話そう!」Powered by Ameba

3.11大震災発生 その時・・・

3月11日(金)午後2時46分。


かつて経験したことのない未曾有の大地震が東北、関東を襲った。


マグニチュード9.0。耳を疑いたくなる数字だ。


あの日から1週間。死者は6911人に上り、阪神大震災(死者6434人)を


超えて、戦後最悪の自然災害となった。


行方不明者も1万人を超え、今なお捜索は続いている。


一刻でも早く行方不明者が見つかり、一刻でも早く被災者が


元の生活に戻れることを願うばかりだ。





その日私は、取材で横浜スタジアムを訪れていた。


春を思わせる陽気の中、真新しい人工芝がひきつめられたグラウンドで


横浜ーヤクルトのオープン戦が行われていた。


巨人との開幕戦を2週間後に控えた横浜・三浦投手の投球を分析し


今年ブレイクの予感がする筒香選手のパワーを一目みたいと


バックネット裏で観戦していたのだ。




6回が終了し、7回表ヤクルト攻撃前に球場全体に強い揺れが襲った。


バックネット裏にある2階控室で見ていた私は、その揺れの強さに


あのニュージーランドでの地震を思い浮かべた。


私の上にはスタンドがある。このスタンドが落ちてきたらひとたまりもない。


とっさに階段を駆け下り、1階の正面入口へ。


グラウンドが一番安全とわかっていても、試合中に入るわけにもいかないし


駐車場を通って、道路へ逃げた。その途中、車が前後左右に揺れ


警報機が鳴り響いて、その音がまた恐怖感を増幅させた。


車ってこんなに揺れるんだと思ったのもつかの間。


道路に出ると、さらに揺れがひどくなり、地面から突き上げてくる


その感覚に立っているのもやっとだった。


照明やあたりのビルも激しく揺れた。




皆がパニックになる中でふと横を見ると、ヤクルトの由規くんの姿が・・・


「大丈夫?」「大丈夫です!」


この日登板予定のない由規くんは、先日放送したGoingのDVDを


見ていたところに地震が起こったらしい。


震源地が三陸沖だと聞いた彼は仙台の実家に携帯で連絡。


何度かけてもつながらず、心配顔。

(のちに家は壊れたけど、家族は無事だったそうです)


由規くんに「気をつけて!」と一言声をかけて安全なグラウンドへ。




グラウンドに入ると、選手、スタッフ関係者、取材陣が集まって


余震が落ち着くのを待っていた。




とその時、またもや強い揺れが・・・


スタンドがまるで遊園地のアトラクションのごとく揺れ、観客からは悲鳴。


オーロラビジョンにはNHKのニュース速報が流れ


そこに映し出されたのは想像を絶するものだった。


ビルは燃え、コンビナートが爆発、津波が街をのみこむ様子が


生中継されていた。




私はこの時、日本にどんなことが起こったがわかった。


信じたくないけど、これが現実なんだと。


ヤクルトの青木選手や横浜の三浦投手と事の重大さをともに感じ、話し


とにかく皆が無事でいてくれるよう祈り続けた。



つづく・・・