森海渡＆麻利沙

🧬KaitoとMarisaの共鳴レメディー🧬

KaitoとMarisaが、薬瓶や波動装置のようなアイテムを使って異次元を旅する。

ホメオパシーレメディーを「感情コード」として再定義。感情を失った世界で、レメディーが“記憶と魂”を再起動させるカギになる。

第11話　残響の庭 ― Lac humanum ―

零界の奥に、光の花が咲く庭があった。

そこは、すべての“記憶の余韻”が集まる場所――残響の庭。

【Marisa】「ここ……懐かしい香りがする。ミルクと光の匂い。」

【Kaito】「これは、“Lac humanum”の場だな。人の愛の記録が残ってる。」

Marisaの前に、やわらかな光が形を取る。

母の姿。微笑み、手を差し伸べる幻影。

【Marisa】「……お母さん、私、ちゃんと生きてるよ。」

しかし、その光はすぐに溶けて消えた。

残ったのは、胸の奥の温かさだけ。

【Kaito】「愛は、形じゃなく“記憶の波動”として残る。それが、Lac humanumの力だ。」

【Marisa】「Lac humanum――“愛の源”を起動して。」

光が庭を包み、花々が白く輝き始める。

その花びらの一枚一枚が、人々の“思いやりの記録”。

【Marisa】「みんな、誰かに愛されたことがある。それを思い出せば、世界はまた始まるの。」

【Kaito】「……“無条件の愛”って、最強のコードなんだな。」

KaitoはMarisaを抱きしめた。

それは兄妹ではなく、魂同士の再会のようだった。

【Kaito】「ありがとう。僕が“人としての温かさ”を忘れかけてた。」

【Marisa】「誰もが、愛を受け取るために生まれてきた。それを思い出すのが――この旅の意味。」

庭に咲いた花が、空へ舞い上がる。

零界に、初めて“心臓の音”が響いた。

【Marisa】「次のレメディーは――Panacea。すべてを統合する“全癒”のコード。」

【Kaito】「最後の扉が、開く時だ。」

💊レメディー解説

Lac humanum（ラック・ヒューマナム）
人の母乳から作られるレメディー。
無条件の愛、受容、自己価値を回復させる。
“愛された記憶”を思い出し、孤独や欠乏感を溶かす。
🌹 キーワード：母性／受容／自己愛／記憶の癒し。

Kaito e Marisa（カイト エ マリーサ）レメディー・シンドローム：零界双星⑪