最近、つばさの党の候補者や代表が逮捕されたことで、そのことに納得していない支持者たちが5年前に札幌で起こった安倍元総理へのヤジ問題と同列に扱おうとしています。

 

正直な話、安倍元総理へのヤジとつばさの党による悪質な選挙妨害を同列に扱うのは論外です。

 

まず、5年前の札幌の件の裁判で警察が主張した内容は「市民がヤジを飛ばしたことで周囲とトラブルになり、それによって犯罪が起きるのを防ぐために、あるいは周囲の暴力から避難させるために行ったというもの(警察官職務執行法)」というものであり選挙妨害とは一言も主張していません。

札幌のアベ辞めろの人たちが採捕されるようなことは何一つしていないのは警察も証明しているわけです。

ちなみに裁判では警察の主張が退けられる結果になりました。

 

あと、「札幌の件で原告が勝利したため、警察は選挙妨害の取り締まりに慎重になった。だからつばさの党は逮捕された」という主張も間違いです。

そもそも警察は札幌の「アベ辞めろ」は周囲とのトラブルを想定していたわけで選挙妨害と考えていません。

それに取り締まりが強化されていたなら、安倍元総理の銃撃事件が成功することは無かったでしょう。

 

過去の判例でも、選挙の自由妨害について具体的な事例が挙げられています。

「聴衆がこれを聴き取ることを不可能又は困難ならしめるような所為」(最高裁昭和23年12月24日判決)、「選挙演説に際しその演説の遂行に支障を来さない程度に多少の弥次を飛ばし質問をなす等は許容されるべきところである」(大阪高裁昭和29年11月20日)。

つばさの党に対する家宅捜索や逮捕などの強制捜査は、現在の公職選挙法でも対応可能だということを証明しています。

つまり、公職選挙法を無理に変える必要はないわけです。

 

アベ辞めろのヤジはあくまで聴衆の声です。つばさの党は候補者でありながら他の候補者への悪意ある妨害です。

それを同列に扱うのはいくら何でも頭が悪すぎます。

日本を愛する前に社会の一般常識を学んでほしいと思います。

 

最後に、民主党政権時代でも野田元総理が2012年の選挙演説中に一部の聴衆から「売国奴」と罵られたこともありました。

それもあくまで聴衆の声と判断されています。