この時期、観光で京都府宇治市の市営茶室の対鳳庵に行くことが多いです。着物姿の茶道の先生と社中さんたちが出される和菓子とお薄をいただきます。
 
 
お点前があり、時にはお話もあります。先日は、興味深い話を聴きました。 話し方が柔らかく、何の予備知識も、大した関心もない私個人が興味を持ったことにハッとしました。
 
 
掛け軸のお話。簡単には読めない書体で、「弄花香満衣」と書かれているようです。覚えきれなくて茶室を出てから調べました。
 
「弄花香満衣(はなをろうすればかおりころもにみつ)」の他に、「掬水月在手(みずをきくすればつきてにあり)」についても話されていました。ともに唐の詩人干良史(うりょうし)の『春山夜月(しゅんざんやげつ)』という漢詩の一部だということが、調べて分かりました。両方とも、お茶席ではたびたび用いられ、禅話にも用いられるそうです。人生の教訓が込められることがあるということです。
 
茶道のみならず、クラシック音楽も時には奥が深くて、知識の話のネタになることもあろうかと思います。知識の話は、お友達同士であれば楽しいと思いますが、わずかであっても、相手を負かしてやろうという意識が働くことがあれば、どうでしょうか。時には向上心が培われてOKかもしれません。しかし競争できないもっと重要なこともあると思うのです。むしろ気持ちが自分の内面に向いているときに、感性が磨かれるのではと、私は思います。
 
きっと何をするにしても、先生の話は聴くのが賢明です。いい先生に巡り会うことが肝心だと、茶道を長く習っている大学生のピアノの生徒さんは言っていました。えらい(関西弁で大変な!)ことです。様々に個性を持った生徒さんの様々な想いを引き出せたときに、レッスンらしいレッスンになるのだと肝に銘じつつ、これからも目指します。