5月10日にいってきました。
個々の作品については冗長になるので、全体に対する感想です。
公演自体は良かったと思います。私は「ヨゼフの伝説」、「シーニュ」、「「ワルツ・ファンタジー」、「赤のジゼル」とかがお気に入りです。また「ランデ・ヴー」もパリオペのそれとは違った味わいで、よく意味が伝わったし、チケット代は十分元を取ったと思います。それは大前提ということでの話として読んでくださいね。
まず構成についてですが、1部と2部の前半までがほぼコンテで、最後に「ヌレエフ・セレブレーション」と題してクラシックの演目からの抜粋という構成でした。
コンテも個々には見ごたえのある作品が多くてそこは良かったんですが、全体として眺めた時に作品のトーンが似てるものが多くて個々の作品がそのトーンの中に埋もれてしまった感じがしました。男と女が出てきてその二人の間の関係性がテーマになっている・・・そういう演目が多かったような。
コンテも好きなんですが、コンテって見る方もエネルギーを使うと言うか、いろいろ考えながら見てしまうのであまり続くとちょっと疲れます。
正直最後にクラシックになった時にはほっとした気がしました。こちらはすでにどんなストーリーのどの場面の踊りなのか良く知っているので、いろいろ考える必要がありません。単純に踊りを楽しめます。実際会場もここで一気に盛り上がったような気がしました。ひょっとしたらそれが狙いだったのかもしれません。
もうひとつは今回は「ヌレエフ・ガラ」という趣旨での公演ですから当然と言えば当然ですが、以前の「ルグリ・ガラ」にしても、どこかヌレエフが神格化されてるように見えて、それがちょっと気になりました。ウィーン国立と言えばルグリ、ルグリといえばヌレエフという図式が出来上がっていてひたすらそれを売りにしてる感じです。ヌレエフが偉大なダンサーで振付家であることはその通りで、私も彼の作品はロミジュリ以外は好きですが、いつまでもそれに寄りかかっているのもどうなのかと。
ヨーダも言っているように「弟子は師を越えるもの」ですから、ウィーン国立もヌレエフを脱してこそ次のレベルに羽ばたけるのではないかと思います。
あと最後に一言。今回は芝本さんが出るというからそれを楽しみに行ったのに、彼女の扱いが低すぎる!!せめてソロパートのひとつも踊らせてください。世間の人は彼女の価値を分かってないな。