本日6日、見てきました。

「ラ・シルフィード」
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
ガラとはいえ背景と簡単なセットがちゃんと用意されてました。ボラックの妖精はかわいかったです。来年パリ・オペが日本に来るとチラシに出てましたが、その時の演目に入ってますよね。彼女も来て踊るんでしょうか?もう一度見たい気がします。

「ランデヴー」
アマンディーヌ・アルビッソン、パンジャマン・ペッシュ
最初に男二人がステージにいて、ひとりがもうひとりのポケットにカミソリを入れて去っていきます。これから誰かヤバい人に会うんでしょうか?その後パルプフィクションのユマ・サーマンみたいな女の人が現れて、二人で踊り始めますが、なにやらお互い駆け引きをしてるような感じ。何かミステリアスで油断ならない感じを漂わせてましたが、そのうちに女の人が男のポケットからカミソリをくすねて、男ののどを切り裂いてしまいました!
感想ですか? 
女の人はこわいよぉ~~。

「See」
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
民族衣装風の腰巻とポピー・ザ・パフォーマーのケダモノみたいな仮面をつけて踊ります。プログラムにはSeeの意味が3通り出てましたが、どれなんでしょう?
私には仮面は人間のペルソナを、衣装は人間の原始的な部分を表しているように見えました。昨日の「クローサー」に通じる部分がありますが、愛するもの同士でも仮面は必要で、それをはずすのは勇気のいることだし、反発を招くことすらある、と言うことでしょうか?しかしやはり最後には仮面をはずした相手をお互いに認めて受け入れないといけないんですよね。

「シルヴィア・PDD」
ローラ・エケ、ユーゴ・マルシャン
初めて見ましたが、なかなか良かったです。躍動感があって女性の連続フェッテとか男性のスピンとか見所もあるし、リフトされた時のポーズもきれいでした。ガラ向けの演目だなと思いました。プログラムによると上演される機会があまりないとか。チャイパドとも比較されてましたが、もっと演じられてもいいような気がします。私にはチャイパドより新鮮に見えました。あっちはしょちゅう見てるからね。

「ロミオとジュリエット」
レオノール・ボラック、ジェルマン・ルーヴェ
ドロテ・ジルベール、ユーゴ・マルシャン
アマンディーヌ・アルビッソン、マチュー・ガニオ
3組のペアが3つのシーンを踊りましたが、私に一番響いたのは最初のペア。ボラックのジュリエットはほんとにかわいかったなぁ・・・ロミオと出会った瞬間の戸惑いとか期待感とか、夢見る少女の感じが良く出てました。おじさんには胸キュンもの(死語)でした。
後の二組も悪くはなかったんですが、実は私、ヌレエフ版は初めて見たんですよ。ヌレエフの振り付けって、今回見た限りだと、ずいぶんいろんなことを詰め込んでる感じで、せわしなくないですか?
特にバルコニー(バルコニーはないけど)のシーンは情感あふれると言うより、躍動感あふれる感じになってて、それはそれで若い二人の疾走する恋愛が感じられていいんですが、ベッドルームのシーンはもう少し抑えて欲しかったです。ここは幸せの絶頂で別れるシーンですから、もっとしっとりした感じがいいんじゃないかと思いました。

「病める薔薇」
エレオノラ・アバニャート、オードリック・ベザール
エレオノラがすっごく良かったです。私は今までこの人はあまり注目してなかったんですが、今回はもう舞台に上がってギュッてしてあげたくなりました。切ない表情が素敵です。プログラムによると彼女は薔薇で、愛されすぎてかえって生命力を奪われ、死んでしまうんだそうです。意味深ですね。ほどほどがいいんですよ。なんでも。好きになりすぎるといろんなもの壊しますよね。

「人魚姫」
シルヴィア・アッツォーニ、アレクサンドル・リアブコ
以前から一度は見たいと思っていた演目です。特に衣装が効果的に使われているというのでそこも見所です。人魚姫は童話のイメージで想像してたので、今回のメイクはちょっと意外でした。なんか人魚姫というより海の妖怪っていう感じです。表情も意識的にそういう風にしてるように見えました。全体を見ていないんでなんともいえませんが、たぶんコンセプチュアルなストーリーなんでしょう。踊り自体はすごく良かったです。衣装の使い方も評判どおりでしたし、感情表現もちょっと不気味な部分もありながらも十分でした。拍手も一際大きかったように聞こえました。

「それでも地球は回る」
アマンディーヌ・アルビッソン
プログラムには許婚者の心変わりを嘆く内容だそうです。情感たっぷりな踊りでした。バレエダンサーは当然かもしれませんが、体の線がきれいなので、こう言う顔の表情に加え、体の線で表現する踊りはコンテの見所の一つですね。

「With a Chance of Rain」
ローラ・エケ、オードリック・ベザール
プログラムに賛否両論を引き起こした部分が含まれていると書かれていたので、それらしいところがあるんだろうと思ってみてましたが、何かありました?内心「ザ・ライト・オブ・スプリング」みたいのをちょっと期待してたんですが(笑)日本じゃやらないですよね。

「ル・パルク」
エレオノラ・アバニャート、パンジャマン・ペッシュ
Aプロと同じ演目です。これを両方に入れたのはそれだけ人気のある演目だからということでしょうか?私も最初ゲランので見たとき、あるいは次にデュポンとルグリので見たときには、これは絶対生で見たいと思いました。その後バレフェスや先日のオールスター・ガラとか今回のエトワール・ガラとか見る機会が何度もあって、今ではちょっとおなかいっぱいな感じです。でも、改めてデュポンとルグリの動画を見ると、やっぱりいいんですよ。ねっとりした感じとかが違うのかなぁ。

さて、全部見終わっての感想ですが、やはりガラですからパリオペというバレエ団のサンプルプレビュー的な感じはありますよね。一つ一つの演目はそれぞれ私に響くものも多かったですが、全幕物を見たようながっつり見た!っていう感じは希薄でした。
来年オペラ座が来るそうですが、演目が「ラ・シルフィード」と「グラン・ガラ」になってました。エトワール・ガラを見たあとに、またガラかよっ、って言うのが第一印象です。ここはやはりヌレエフ版のくるみとか白鳥とか持ってきて欲しかったです。