昨日のAプロの興奮も冷め遣らないうちに今日はBプロです。こんなことなら初日のAプロと最終日のBプロにしとけば良かったと、一瞬思いました。
今日は席位置が良かったです。昨日は12列目中央で、いい席だったんですが、前の人の頭がちょっとだけステージに被ってました。今日は13列目の中央で前の人は背が低くステージが完全に見渡せました。ラッキー!!

今日も見所満載でした。どれをどう書いたらいいのかまだ整理が付きませんが、思いつくまま書いてみます。

「ラプソディ」
いきなりフェリからスタートです。普通のガラ公演だと最初は若手が空気作り的に踊って、大御所はその後から出てくるものだと思ってましたが、いきなりフェリの登場でした。私の中ではフェリというとやはりジゼルとかジュリエットとかのイメージが強いんですが、Youtubeで探すとけっこういろんなもの踊ってるようです。当然ですけどね。でも昨日のレクイエムといい今日のラプソディといい、フェリの芸域の広さのようなものを感じました。優れたダンサーはみなそうだと思いますが、この人も振り付けの良さを最大限に引き出すために自分に何ができるかを考えてるんでしょう。
男性側も見所が結構ありました。コルネホは細かいジャンプや回転が続くところを余裕でやってのけて技術の高さを見せました。

「白鳥の湖、アダージオ」
開演前に後の夫婦の会話が聞こえたんですが、旦那さんが奥さんから「これどんな曲だっけ?」と聞かれて、「これはあれだよ」と自慢げにメロディーを口ずさんでみせましたが、それは「序曲」のメロディーでした。
そんな話はおいといて、私は正直ゴメスばかり見てました。普通あんまり男性ダンサーには目がいかないんですが、アナニアシヴィリのオデットとゴメスの王子では、ゴメスの方に目がいくのが当然でしょう。(え?違う?)ゴメスはあの体格で体重も相当あるだろうに、軽々と踊ってみせますよね。しかもあのラテン系の顔立ちですから、私が女性なら絶対好きになると思います。サポートもしっかりしつつ女性を引き立てながら自分の表現も忘れない。すばらしいです。

「ジゼル」
今度のボリショイではジゼルはザハロワの回を取りました。と言うわけで私にとってはスニークプレビューのような感じです。ザハロワの踊りは別次元に突き抜けてる感じがします。昨日も書きましたが何か神々しさと言うか崇高さを感じさせます。ボリショイのパンフに「奇跡のプロポーション」って書いてありましたが、確かにそれはあるとは思いますがそれだけではないでしょう。プロポーションならコンダウーロワだって負けてないですが、正直彼女はまだザハロワの高みにまでは達してないと思います。悪くはないんですよ。ただザハロワはそれだけ特別だと言うことです。見ている間全身に鳥肌が立ったのは、会場の冷房のせいではないと思います。

ちょっと飛ばします。

そのザハロワの「ディスタント・クライズ」
最初無音状態からのスタートです。こう言うときに限って咳きする人が必ずいるんですよね。
それはともかく、ザハロハのコンテって生で見るのは初めてかもしれません。先ほどプロポーションのことを書きましたが、確かに長い腕や脚を使って空間を大きく取り込むあたりは見ごたえがあります。そしてさらに良かったのは二人のコンビネーション。私なりのひとつの持論としてコンテはできれば男性が女性のサポートになるんではなく、二人でひとつの何かを表現するのがいいと思ってます。その点この演目は良かったです。二人で作る一つのポーズが美しかったですし、男性は男性なりに、女性は女性なりに個を表現する箇所もあって、納得の一品でした。

「レクリ」
だいぶ前グルジア国立バレエの練習風景の動画をアップしたことがありますが、あれ以来時々グルジアンダンスの動画を見たりしてるんですよ。それを髣髴とさせる踊りでした。プログラムにも書いてありますが、彼女はグルジア人なんですね。衣装は男装とのことですが、たぶん本当の男性の踊りはもっと激しいと思います。信じられないようなハイスピードのピルエットやジャンプが連続します。なので衣装は男性でも踊りは女性側の踊りなんでしょう。しかし民族的な香りはしっかり伝わってきました。

「ル・パルク」
待ってました!フェリのル・パルクです。ル・パルクは私がバレエに興味を持つきっかけになった悪魔のような演目ですので、思い入れもひとしおです。最初はゲラン、次にデュポンを見てはまり、いまフェリのル・パルクが見られるとは、もうこのまま死んでもいいくらいです。
この演目って絶対セックスを表してると思うんですがどうでしょう?最初の手を口に入れるところとかもそうだし、女性の脇を男性がくぐるところとかもそうでしょう。あと、例のフライング・キスとか。でも決して肉欲的セックスではないんですよ。この踊りを見てて思うのは結局人にとって性とは何か?と言うことです。それは全身全霊をかけた男女間のコミュニケーションであり、お互いを相手にさらけ出すことではないでしょうか?ここではそれを「解放」と呼んでいるんでしょう。今回のフェリの踊りを見て改めてそんなことを感じました。いやぁ、ほんと良かったです。

「眠りの森の美女」
とってもかわいいオーロラ姫とかっこいいデジレ王子でした。衣装はラメっぽい光物が付いてるとは言え、それほど豪華でもなし、もちろん背景もないわけですが、その割には踊り自体はとても豪華に見えました。トレナリーっていかにもアメリカンな美人って感じですよね。誰だったか思い出せませんが女優に似た人がいたような気がします。ゴメスはこう言うときは王子さまキャラ全開です。あたかもお姫様をエスコートしているかのようなやさしさとか紳士らしさのようなものが感じられました。私もエスコートされてみたいです。

昨日もそうでしたが今日も最後はスタンディング・オベージョンでした。ステージ上には垂れ幕と紙テープと紙ふぶきが落ちてきて、ダンサーたちもちょっと驚いた様子。一旦幕が下りてまた開いた時、ジリアンの足にテープが絡まってました:) ご愛嬌です。
それよりこのとき絶対ザハロワと視線が合ったような気がするんですが、そう思ってもいいですか?しっかり私を見たんです。間違いないです!!