行ってきましたよ。ガラ!!
もう感動が止まりません。
もうプログラムの内容自体がネ申すぎます!!
まずヴィシニョーワとゴメスの「ヌアージュ」でしょ? それにゲランとルグリの「ル・パルク」!!更にコジョカルとコボーの「ジゼル」があってデュポンとモローの「椿姫」ですよ。
みんな一生に一回見られるかどうかっていう演目とメンバーじゃないですかっ!!
もうこれだけ見られたらいつ死んでもいいですというものばかりです。
それだけじゃないんですよ。これは始まる前にプログラムだけ見たときの私の心の叫びで、実際見たらほかにもいろいろあるんです。
一つ一つ書いてるときりがないので抜粋します。

「ドリーブ組曲」
初めて見た演目です。特に最初のPDDが気に入りました。音楽が私好みのメロディアスで情緒的な音楽で踊りも端正な踊りでした。バレエには音楽も重要な要素です。ガラということで一部しか踊らないせいか、特に大きな感動を呼ぶというようなものではありませんでしたが、いかにもバレエって感じの一品です。

「三人姉妹」
末娘が恋人の中佐と別れるシーンだそうです。サラ・ラムが良かったですね。僕はきれいな女の人の不幸な話が好物なので、こういう演目をサラ・ラムみたいな人が踊るとたまりません。よく感情表現もできてたと思います。今までサラはあまり追いかけてなかったんですけど、ちょと追いかけてみようかな。

「雨」
シムキン君とヤーナ・サレンコといえばAプロの時の「パリの炎」のペアですが、今回はまるでヴィシニョーワとゴメスのペアがやりそうな肉体派のコンテでした。しかもそれがいいんですよ。シムキン君も写真で見るとそうでもないようだけど、舞台で見ると結構ムキムキだし、ヤーナもAプロBプロのイメージだとおとなしそうな感じでしたが、今回はやる時はやるわよ的な大胆な踊りでした。
前回「ヴァーティゴ」の感想でヴィシニョーワがあと5歳若ければって書いたけど、その代わりを見つけた感じです。ヤーナいいよ、ヤーナ!!ファンになりそうです。

「椿姫第一幕のPDD]
このシーンは私としてはマルグリットが最初に鏡の前に立った時の背中の演技が重要だと考えています。コーティザンとして頂点に君臨しながら病に侵され、この先衰えていくしかないことが分かった瞬間がこれです。この感情を背中でどれだけ表現できるかによって、そのあとのアルマンの若い一途な愛情が彼女にとっても一筋の光になる過程が生きてくるんです。今回のマリア・アイシュバルトはその辺もうまく表現できてたと思います。その後も最初はアルマンを軽くあしらいながらそれが次第に愛情に変わり、最後に椿の花を自分の胸から外してアルマンに渡す、この感情の機微!!よかったですよ。アレクサンドルも愛こそすべてと純粋に信じてるような若者をうまく演じてました。

「ヌアージュ」
ヴィシニョーワとゴメスのコンテはどちらかといえば私はヴァーティゴの方が好きですが、この演目は名前だけは知ってたものの、動画でも見る機会がなかったので、今回夢がかないました。やはり前回同様コンセプトはわかりませんが、コンセプチュアルな踊りはそれだけで美しかったです。

「カルメン組曲」
ヴァルデスはキューバの人らしいですが、キホーテとかカルメンとかスペインを舞台にした踊りはよく似合いますね。私の中にはラテンの血が流れてるのよっていう感じです。この人は女優のミッシェル・ロドリゲスに目の感じが似てるような気がします。目力が強いっていうか、技を決めたときのドヤ顔ならぬドヤ目がたまりません。

「ル・パルク」
私がバレエの興味を持って今日に至るきっかけになったのは「椿姫」の黒のPDDとこのル・パルクの解放のPDDなんですよ。初めて買ったバレエのDVDもこの2作品でした。そのDVDで踊ってたのがゲランです。それを今日生で見ました!しかも相手がルグリですよ。夢のようです!!
細かい点を言えばもっとああしてほしかったというところもありますが、もうそんなことはいいんです。ゲランのル・パルクを見た!それだけで十分です。

「さすらう若者の歌」
男性二人のPDDは珍しいんでしょうが、PDDといっても実際に二人でからむ場面は少なかったような気がします。一人が踊ってる間もう一人はじっと立ってるとか。男性ヴァリエーションを二つ同時に見たような感じです。シャコンは「ギリシャの踊り」の方が良かったかなぁ。

「ウロボロス」
ウロボロスの蛇はいろんなところで象徴的に使われますが、ここでは「蛇」ということで脱皮して変容することがテーマだったのかな?

「ジゼル」
コジョカルとコボーですよ。コジョカルはこういう役はほんとに合いますね。顔がそもそも不幸顔してますもんね(いい意味で)。コボーもいいです。同じアルブレヒトでもボッレが踊るとなんか「婚約者がいるのにウブな村娘をナンパして、死に至らしめたとんでもないプレーボーイ」に見えるんですが、コボーが踊ると「やっと本当に愛せる人に出会いながら政略結婚のために相手に誤解され死なせてしまう、しかもその自責の念から逃れられないかわいそうな男」に見えるから不思議です。この差はなんなんでしょう?

「タンゴ」
ロパートキナ様が「私を白鳥だけの女だと思わないでよねっ!!」って言ってるような気がしました。男装の麗人姿でしたが、スタイルが超人的にいいのでどんなかっこしてもシルエットがきれいです。もちろん踊りは言うまでもありません。もう何を踊ってもこの人はネ申です。

「椿姫第3幕のPDD」
デュポンとモローの椿姫ですよ!!前にデュポンはオーラが見えるって書いたじゃないですか。あれはもちろん私の彼女を敬愛する気持ちが強いゆえにそういうオーラが見えるんです。決して私が霊能者だからじゃありません。このシーンはアルマンを愛するがゆえに去ったマルグリットをアルマンが理解することができず(若いね)厳しい仕打ちをしてしまいますが、死期を悟ったマルグリットが訪ねて来たところです。お互い葛藤がある中徐々にそれを乗り越え、再び愛情で結ばれる、一番のクライマックスです。欲を言えばモローがもうちょっと若い純情を表現できればもっと良かったかもしれません。こういうのってダンサー自身が年を取ってそれなりに風格が身についてくると逆に出しにくくなるんでしょうね。それがいつまでもできるのはフェリぐらいでしょう。しかしそれを差し引いても見ていて感動しました。さすがオペラ座のエトワールと元エトワールです。

「ドン・キホーテ」
この演目は盛り上がること確実なんで、とりにはうってつけです。ここでもヤーナです。ヤーナいいね。ほんとファンになろうかな。

さて、このあと特別にプログラムにはないPART5がありました。これは余興的なもので私としてはない方が良かったんではと思います。私はバレエに「美」を求めてるんでお笑いは求めてません。どうせこんなことやろうって言い出したのはマラーホフでしょ。あいつの言いそうなことです。シンデレラ見ればわかります。だいたい作品を見れば作者の性格が分かるんですよ。
キホーテの後にそのままフィナーレの方がよかったなぁ・・・

とうとうバレフェスも終わり今年は大きいところではマリインスキーを残すのみです。しかしコンダウーロワがこないんじゃなぁ・・
まぁ、しばらくはそんなことは忘れて、バレフェスの余韻に浸りたいと思います。

追記:いろいろほかの人のブログ見てたら、ファニーガラって毎回あるらしいですね。私は今回バレフェス初めてだったんで知りませんでした。マラーホフさんごめんなさい。