今日、東京文化会館のLAC~白鳥の湖~を見てきました。開演前にプレトークショーがあって、その中でギリシャ悲劇だの、父系社会から母系社会への転換だの、わけのわからないことを言ってるなと思いましたが、本編を見たらわかりました。
感想は 「女の人は怖いよぉ~」です。

以下ネタバレがあるので要注意。





冒頭でプロローグとしてモノクロのフィルム映像が流れます。仮面劇のようで、王と王妃、そしてまだ子供の王子がピクニックをしてます。そこに純真な少女が現れて王子はその子と遊びます。しかし夜の女王が自分の娘を連れて現れ、自分の娘を王子と遊ばせようとします。このころから嫁の座を狙ってたんでしょうね。しかし王子が拒絶したため夜の女王は少女を連れ去ってしまいます。王子は自分の好きな子が目の前でさらわれたのがトラウマになったようです。
時代が下って王子の成人の誕生日。結婚相手を決めなくてはいけません。いろいろ一癖ありそうな女たちが言い寄りますが王子は相手にしません。
この後の展開はおおむね従来通りの展開です。違うのは王や王妃が割と前面に出ててよく踊ります。
また夜の女王は最初のパーティーから登場してて、王とPDDを踊るなど何か王とありそうな気もします。実質的にはこの二人の王女が主人公です。息子を守ろうとする王妃、自分の娘を王家に嫁がせようと画策する夜の女王。その戦いは夫である王をめぐる戦いも含んでいるのかもしれません。
そして圧巻なのはやはりラストの展開!王子は夜の女王の罠で黒鳥に愛を誓ってしまったことに絶望してしまいますが、その一方で黒鳥は王妃とその部下にとらえられてしまいます。王子は白鳥の少女を追って湖に行きますがそこに何と王妃の一行が黒鳥の死体を運んでくるんですよ。王妃の復讐です。夜の女王は半狂乱になりますが今度は夜の女王が白鳥を殺してその体を王子の前に投げ捨てます。王子の腕の中で少女は死にます。王子も絶望に打ちひしがれる中、夜の女王が黒い布をかぶせて二人を黄泉の国へ連れ去ってしまいます。

私の理解が違ってる部分もあるかもしれませんが、だいたいこんな感じです。見てる最中はプロローグに出てきた純真な少女は王子の妹だと思っていたので、ひょっとして王子は大人になってからそれと知らずに恋してしまう禁断の恋?かと思いましたがそれはないようです。でもそれならそれも面白かったかも。実は黒鳥の少女も王が夜の女王と浮気してできた子供だとしたら・・・王妃と夜の女王の嫉妬と憎悪がお互いの子供を巻き込んで、みたいな展開になってより強烈だったかも。

まぁ、そうでなくても十分強烈でしたけどね。

追記:次ページに追記があります。