アニメ版は泣いてしまいました。
是枝監督の実写版も見に行かなくては…
ネタバレだらけです。
ご注意下さい。

このポスターも良いですよね。
見ているだけで満たされます。
とても美しい映画になってました。
自然や四季の美しい絵に重なるペンの音、要所に流れる音楽。
4人とも良かったけど、特に京本役の子役が「藤野センセイ!」と飛び出してくる初登場シーンは目を奪われました。可愛くていじらしくて。

子役から大人役の交代もスムーズでしたし、藤野役の出口夏希さんは本当にナチュラルに綺麗なので、目の保養です。顔立ちもだけど、表情が綺麗。
京本役の蒔田彩珠さんも良いけど、時々設定よりかなり年上に感じてしまいました。京本は藤野の背中を追いかける存在。もっとダサくて子供っぽくて良いのでは。
アニメ版よりも時間も長いので、描写がより深まって、周囲の人にも存在感が増してます。

菅田将暉の担当編集者はクリエイター部分の描写をリアルにしてます。
漫画を描く過程の描写が多いのも、実写版の楽しいところ。
クドカンの先生も凄く良い。この人の存在感が増したのは良かった。

安心感のある野呂佳代のお母さん。
山田真歩も好きな女優さんで、見ると嬉しい。優しい先生の役でした。
ただ藤野の周辺の描写は深まってますが、京本の方は不気味なほど人け無し。
と、確かにこれはこれで良い映画とは思うのですが、アニメ版に大感動した私にはやや物足りない所がありました。
不満を書いてしまいます。
時間が長くなって描写が増したことで、美しくはあるけれど、どこかテーマがボケたというか、ズレたような気がしたのです。
子役の京本の持っていた藤野への憧れは、蒔田さんからは感じられなくて、藤野の独善的な態度に自分を否定されて独立したがった…ように解釈できなくもない…演出。
アニメ版では、(私の解釈ですが)京本はずっと藤野を追いかけ続けて、絵を上手くなりたいのもその延長、何ならもっと藤野の役にたつ存在になりたかった、藤野に追いつきたかった、置いていかれたくなかった…のでは。
実写の二人はただの仲良しの子供たちで単に大人になって道が別れた…普通の青春友情ものみたいに感じてしまいました。
京本の不幸からの展開もテンポのせいなのか、アニメの時に感じた視界が晴れていくような雰囲気が薄くなってしまった。
もしあの時、自分が京本を外に連れ出さなければ…と藤野は自分を責めて、あの漫画の一コマのメッセージが送られた。そこから出てこないで、と。
そんな感情が感じられなかったし、その後の別次元の展開からの昇華の納得感も…長かったからなのかな。
アニメだと自然に感じたけど、実写だと唐突でした。
藤野の回想で、2人の間にあったものを感情的に表現する部分がアニメなのは、結局、この監督の淡々とした描写(それはそれで良いんですけど)より、アニメの方が感情を表現できるのかもねと思ってしまったし。
良いところもあったけど、好みの問題なのか、順番の問題なのか、私にはアニメ版の方が過不足無い作品に感じました。
あの雨の中の藤野の名シーンももう一つだったし。アニメで見たときはあんなに感心したのに。
是枝監督って静かに表現するのは得意だけど、激しい感情とか動きのある描写は苦手なのかな…。
あくまで個人的好みです。多分。
見直すと違うかも。
期待し過ぎていたのかも。

