映画、見に行かない?

「どんな映画?」

恋愛映画だけど…

映像が美しくて、
台詞が印象的で、
キャストが良くて、
音楽が染みるらしい…。

「………だけ?」

他に何が要るのよ…?





「四月になれば彼女は」

十年前に別れた恋人が、二人で行くはずだった場所から送ってくる手紙と写真。
ウユニ湖、プラハ、アイスランド。
これだけでも美しい物語になりそう。

さらに現在の恋人が謎の失踪をする。
「愛を終わらせない方法、それは何でしょう?」

という話です。



私は基本的に恋愛に興味が無いので、胸キュンとか、悲恋に泣くとかはあまりしたくありません。

綺麗な話やほのぼのした話で十分。

とても綺麗な映像でした。
それはウユニやプラハや黒い砂浜だけでは無く、良く知ってる東京の風景でもそうです。
シーンも美しいけど、そこに持っていく部分も丁寧だし、回想の挟み方も好きでした。
気になるセリフもたくさんあったし、手紙は詩のようだし、恋人同士が繰り返す「今、それ言う?」みたいな仕掛けも結構好き。


キャストは…
幼すぎるという評価もあるようですが、初恋の可愛らしさを体現しています。初々しく健気で良かった。
大人になってからの部分は仕方ないかな。

ヒロインは難しい役です。危ういような頑固なような…。
この人の存在(価値観)を受け入れるかどうかと、この映画が成立するかどうかが決まる?
ダメな人はダメそうな…。
長澤まさみと並ぶから、森七菜が幼く見えてしまう。

少しの出演ですがヒロインの妹が凄い存在感!
「不適切にもほどがある」でも素晴らしかったけど、今年は河合優実をたくさん見られるのではないかと楽しみ。

落ち着き方がすごく怖い。この人は最後、どうなったのか知りたい。
この映画はわざと説明しない、みたいなところがありますね。

精神科医と言う割に、人の機微に疎そうで、しかも他の人達にもそれを見透かされている。しかもモテモテ。

森七菜と電車で別れたとき、そこで泣いたり感情を出すのかと思ったら、しばらく移動して、エスカレーターで涙が出てきた。
エスカレーターは足を止めるから。
動きを止めたら、気持ちが溜まる。
上へと移動したら気持ちが高まる。
ここで泣くの、分かるわ〜と思いました。



出てくる人達は(話にしか出てこない人達まで含めて)皆、離婚してたり、それぞれ愛に苦労している。

佐藤健と長澤まさみは同棲してるけど、部屋は別々で、シェアハウスのよう。早く起きたほうが自然に二人分の朝食を作る。

仲は良いけれど、一人になりたければ、それも簡単。
排水の具合が悪い、電灯がつかない、そんなことも何日も無視できる。
愛や生活を怠けることも可能。

それではダメなのかな…。
昔のような密な関係は難しい時代だと思うけどな。

映画が終わると同時に、映像に染み込むように流れる藤井風の使い方が素晴らしい…。余韻に浸らざるを得ない。


丁寧な美しい映画。
良いか悪いかと言うのは難しい。
好きか嫌いかで言えば、とても好きな映画でした。好きなところがたくさんありました。


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最近、よく見かけますよね。

お店で作る系の…。

スムージー。

お手軽で美味しい。