宿からすぐ。
宿に沿った小道を歩きます。
みかんの産地らしい。
柊木犀が咲いてます。
山の方へ向うとすぐに
看板があります・・・
ここは
「山道を歩きながら考えた。
知に働けば角がたつ。
情に棹させば流される。
兎角この世は住み難い。」
の文章で有名な漱石の草枕の
舞台となった家がありました。
足下には
山からの流れ。
ここが昔はもっと険しい山道で、
歩く漱石に、
この世の住みにくさを
考えさせたのだろうか。
周囲は蜜柑の木が並んでいます。
畑だけではなく、
庭らしきところにまで
地につくほど実っていて
まさに、たわわ。
写真を撮っていると
ご近所の人らしき女性が
「観光?」と話しかけてきた。
「どこから?東京?」
いやいやすぐお隣の県からです。
考えてみると、滞在中
色んな人に「東京から?」と
言われたなあ。
私に九州の訛りが無いから?
蜜柑だけじゃないですよ。
柿もすごい家があるなあ・・・と
見ていると
あ、ここが目的の家。
手前の部分は新しいので、
これは復元したのかも。
(ただ修復しただけかも)
でもその奥は
ほとんど建物は無くなって
遺構のみとなっています。
これはCGにやる復元写真。
あると分かりやすい。
大層、立派な家だったのですね。
今見たのは一番手前の建物。
玄関と浴場です。
残っているのはそこと
左奥の母屋部分のみ。
斜面に建てられているので
図面で見るより複雑な造り。
こちら側は
造りは復元写真と似てるけど
生活感があって
昔の家のままには思えない。
池があったはずの中庭も
石組みと潅木類のみ。
この家の、今見ると普通の家に
昔は海の見える外廊下があって
そこに立つヒロインの影を…
今はないここの部屋から
漱石が見たのだ・・・
などと想像する。
図解で解説してくれてるので
想像がたやすい。
石垣も立派。
こちらは厨房だったと思うけど
すっかり朽ちて
屋根が落ちかけている。
先ほどの入り口近くにあるのは
浴場跡。
ここも小説中に登場します。
透かしがきれい。
ゆっくり見物していると
さっき出会った女性が
ビニール袋を持ってきてくれた。
「これ、持っていって」
みかんがいっぱい!
熊本みかんなんて
ブランドですよ。
ものすごく美味しかったです。
ありがとうございます。
S姉「私たちが蜜柑の写真
撮ってたからだよ、きっと。」
そ、そうかな?
石垣の上に上る。
今はすっかり家ばかりだけど
漱石が泊まった時代には
こんな風に海が見えたのだろう。
「変に復元してあるより
このくらいが
想像できて、風情があるね。」
S姉、大人だわ。
でも、分かるよ。
漱石にも草枕にも
思い入れのない私だけど
案内にしたがって
文章の跡を辿っていると
だんだん小説世界に
引き込まれていく。
同時に時の流れや世の移ろいに
切なさを感じ・・・。
思っていたより
センチメンタルな気分に
満たされる。
左手の母屋をぐるっと回ると
古い座敷があって
やっぱりこの部分は
昔のままなんだろうか。
そのまま庭を巡って
外に出ます。
何だろう…
感動?しました。
行って良かった。
S姉、ありがとう。
この旅、この先もずっと
S姉にお世話になり続けるのでした。























