概要
世界でも一位二位を争うスコッチウイスキーとして知られるのが今回紹介するグレンフィディックです。
日本でも愛されていますが、世界的にも非常に有名でその飲みやすさからファンも多いと言われているスコッチウイスキーのブランドですが、その歴史は非常に深くて長いものがあります。
今回は人気が高いグレンフィディックのこだわりの製造方法や現在に至るまでの過程についてまとめていきたいと思います。
目次[非表示]
グレンフィディックの歴史
グレンフィディックの製造方法
グレンフィディックのこだわり
グレンフィディックの歴史
グレンフィディック(引用:グレンフィディック公式HP)
グレンフィディックは1886年にスコットランドのダフタウンにて生まれたスコッチウイスキーです。
この年に蒸留所が創設され、1887年の12月25日に初めてウイスキーが生産されました。
当時から非常に人気が高いスコッチウイスキーではありましたが、1920年を過ぎるとスコッチウイスキーの大量消費国であるアメリカで禁酒令が出たことから、経営が成り立たなくなる蒸留所も多くなってきました。
結果的に、グレンフィディックは生産量を増やすことができましたが、周囲では蒸留所をたたむブランドや経営を休止する蒸留所も多くなっていきました。
アメリカの禁酒令はそれほど長くは続かず、すぐに解禁されることになるとさらにグレンフィディックの需要は高くなります。
そして、これまで以上の需要が見込まれるようになると、スコットランドはもちろんのこと全世界でブランドとしての確固たる地位を築くようになったのです。
1950年には、現在でもかなり珍しい三角型のボトルを採用して、グレンフィディックの代名詞とも言えるデザインを確立させました。
さらに、スコッチウイスキーとしては初の試みである筒状の容器や贈答用の缶の容器なども採用。
デザイン性としても最先端を走るブランドとなりました。
この頃から、グレンフィディックはウイスキー市場で一番売られているブランドとしても名前が知られるようになり、その地位は現在に至るまでも続いているのです。
2014年にはドランブイを買収することで合意し、業務提携も結んだことで市場のシェアはさらに広がっていっているのです。
グレンフィディックの製造方法
グレンフィディック(引用:グレンフィディック公式HP)
グレンフィディックは、スコットランドのダフタウンという土地で生産をされている世界的にも有名なスコッチウイスキーです。
グレンフィディックを作るために生産されている大麦麦芽は非常に香り高くて黄金色をしている穂をつけた逸品だと言われています。
この大麦麦芽は、ウイスキーを作る際に毎年のように原材料を蒸留所のスタッフが視察に行き、そしで味をしっかりと確認した上で加工されます。
グレンフィディックの原材料として認められた大麦麦芽は、穂から外されるとそのまま加工場に移動します。
そして、スコットランドの自然豊かな土地に流れる川の水を使ってたっぷりと吸水させられたのち、乾燥の過程に入ります。
グレンフィディックの原材料となる大麦麦芽は非常に吸水性が高いためみずみずしい仕上がりになり、乾燥にも時間がかかりますがその分、旨味と爽やかさはしっかりと原材料に残ります。
乾燥にはスコッチウイスキーならではのピートや炭などが使用されており、香りにはスモーキーさと香ばしさが感じられます。
しっかりと乾燥された大麦麦芽は粉砕機を使って細かく砕かれたのち、再び綺麗な水につけられて麦汁を作り出します。
麦汁を作るのには、気温や湿度、天気などによっても異なりますが一週間ほどの時間を要することもあり非常に時間がかかる作業になります。
こうして作られた麦汁を取り出すために大麦麦芽を絞ることで、ウイスキーの元になる金色の麦汁が作り出されます。
この麦汁をウイスキーにするために、まずは発酵をさせます。
さらに蒸留を行うのですが、この際にグレンフィディックで行われる蒸留方法は単式蒸留器と呼ばれる、ウイスキーの蒸留には一般的な方法になります。
単式蒸留器を使って蒸留をすることで、ウイスキーは何度もパイプの中を通り蒸留されていきます。
ここで不純物をしっかりと取り除くことで嫌なえぐみや苦みなどが出ることを防ぐことができます。
蒸留を終えたウイスキーはすでに売り出すことができるほどに作り上げられていますが、スコッチウイスキーとして生産をするためにさらに熟成の過程を経ていきます。
熟成についてはグレンフィディックはラム樽やバーボン樽、シェリー樽など一度、別のお酒を漬け込んだ樽を使用して熟成する傾向があります。
こうすることで、スコッチウイスキーの中にフルーティさやマイルドさを取り込むことができるのです。
熟成については、ある程度決められた期間の熟成を行います。
ですが、熟成が終わってそのままボトリングされる銘柄もあれば、さらに熟成された原酒同士をバッティングする銘柄もあります。
バッティングについては、グレンフィディック専任のブレンダーがそれぞれの原酒の味を見て時には数百種類ものウイスキー原酒をバッティングしていきます。
その繊細な作業は長年、グレンフィディックのウイスキーを飲み続けて訓練されてきた一握りの人にしかすることができません。
グレンフィディックのこだわり
グレンフィディック12年
(引用:Amazon)
世界で一番飲まれていると言われるほど有名なグレンフィディックのウイスキー。
やはり何よりも飲みやすさと万人から愛される親しみやすさを一番に考えています。
熟成樽にこだわりを持っているのも飲みやすさを追求するためと言われています。
一言にシェリー樽といっても何でも良いわけではなく、スペイン産のヘレスのシェリー樽と決められていたり、バーボン樽はアメリカ産と決められていたりと、色々なこだわりが垣間見えます。
また、吸水や蒸留、麦汁作りなどに使用される水もダフタウンの澄んだ水を使っています。
その水に魅力を感じてグレンフィディックの蒸留所をダフタウンに作ったとも言われているほどなのです。
これほどまでに原材料にこだわるグレンフィディックは、職人にも強いこだわりを持っています。
ブランドが認めた絶対的な職人たちは、このグレンフィディックという会社の中で終身雇用をされるといいます。
つまり、職人と認められれば一生、この蒸留所で働くことができるという確約があるのです。
それほどまでに全ての材料を大切にしているグレンフィディックだからこそ、作られるウイスキーは繊細で飲みやすく、しかし大胆な味わいを再現することができるのですね。