A Joyful Moment by MadamePasqual
スイート・シックスティーン ケン・ローチ監督

ここ2-3年、英国映画をよく見ています。決してハリウッド映画のように派手でもないし、感動ヒューマンドラマでさえ、{これでもかと}いうお涙頂戴はなく、庶民をテーマにし暗い内容が多いのですが、飾り気のない生の人生を描いていると思えてジワーと心に訴えくるものが多くあります。

昨夜は、廃坑か存続かをかけて闘争が続く探鉱のブラスバンドの最後の演奏の話でイギリス映画の「ブラス・オフ」を観ました。会社や政府の都合で炭鉱が閉鎖される世の流れ、100年以上前から続いている炭鉱夫たちのブラスバンド継続の熱と現実の生活の方が大切と音楽に熱を上げている夫に愛想尽かしている妻達の葛藤。
音楽以外何の興味を示さなかった主人公が最後に人間不信を訴える言葉。「いるかや、鯨の存続に血眼になっているのに炭鉱と継続とその家族の生活の存続には無関心だ!」と主人公は叫びます。もしイギリス映画「ア・リトル・ダンサー」に感動したなら、この映画もお好きだと思います。

英国映画の中でも特に心に強く残っているのは「スイート・シックスティーン」題名からだと甘い恋愛物語のように聞こえますが、労働階級の立場から目を光らせているケン・ローチ監督ですから、物語はもっともっとシビアです。貧困の原因を訴えたり、じゃあどうするというような、解決法を安易に提出しようとはしないし、階級闘争やろうと呼びかけたりもしない。救いようのない本当に地味な映画ですけれど、主人公の若い16歳の少年のみずみずしさ。お奨めの秀作です。

そしてがらっと変わって英国のゲイの世界を舞台にした「キンキーブーツ」「プルートで朝食を」などはゲイの人たちが主役にもかかわらず、工場の閉鎖やアイルランドとの抗争など深い様々な政治の世界がバックグランドにあることがわかります。

「穂麦を揺らす風」はイギリスとアイルランドの抗争を描いていているやはりケン・ローチによる、カンヌ国際映画祭パルムドールに輝いた人間ドラマ。20世紀初頭のアイルランド独立戦争とその後の内戦で、きずなを引き裂かれる兄弟と周囲の人々の姿を描くいています。素晴らしい映画です。
A Joyful Moment by MadamePasqual「穂麦を揺らす風」 ケン・ローチ監督

ちょっと初めはとっつきにくいイギリス映画ですか、良いも悪いもありのままの人間を深く描いているすばらしい映画が多いいのでチャレンジしてください。


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