少年 Ⅸ 少年は云う 世界と私は隔てられている 世界はガラスの彼岸 世界に雑踏は、匂いは在るのだろうか 空気は熱く震え、腕を撫でる掌は在るのだろうか 少年は云う 方向性無き時空に、浮かぶ存在は 気も狂わんばかりに手段考えて 世界に辿り着き、へばり附かんと ひたすらに、処世の苦悩にしがみつく 日常性こそが、世界へと繋がる唯一つの水路 少年は 諦めと、喉元にこみあがる苦しみを 懐胎したままに なおも階段を脚を操り登りゆく