少年は云う

 

 世界と私は隔てられている

 世界はガラスの彼岸

 

 世界に雑踏は、匂いは在るのだろうか

 空気は熱く震え、腕を撫でる掌は在るのだろうか

 

 少年は云う

 

 方向性無き時空に、浮かぶ存在は

 気も狂わんばかりに手段考えて

 

 世界に辿り着き、へばり附かんと

 ひたすらに、処世の苦悩にしがみつく

 

 日常性こそが、世界へと繋がる唯一つの水路

 

 少年は

 

 諦めと、喉元にこみあがる苦しみを

 懐胎したままに

 

 なおも階段を脚を操り登りゆく