桜木紫乃は、私の好きな作家の一人だ。最初に読んだ本は、おそらく「ホテルロー
ヤル」。それ以外にも読んだかもしれないが、一番面白かったのは、「硝子の葦」。再読
してますます好きになった。
それで本屋に行きこれといった本がない時は吉田修一や桜木紫乃など私の定番の作
家の所に行って一冊購入する。
今回は「ラブレス」を読んだ。題名の意味は愛がないということなのかと思いながら少し
読みまあいいかと思って買った。
序章を読んでいる間、百合江が主人公とは思わなかった。 序章の百合江は貧困と
孤独死そのものだったかだ。
その後百合江の一生が語られる。百合江は、普通の人より才能を持った人だ。歌・商
売・洋裁和裁、それに二人の子ども。どの場面でも才能をしっかり生かしている。その才能
を何人かの人ががっちり支えていた。そこにはたくさんの深い愛があった。だからラブレスと
言う題はぴんとこなかった。それが崩れた時、人生の波が襲い掛かり、大きな困難にぶちあ
ってしまう。
つまり、普通の人より良い意味でも悪い意味でも、波が大きい人生を百合江は送ったと思う。
一番印象に残ったのは別れだった。がっちり向き合った人たちとの別れだ。一番辛かった
のはやはり最初の子「綾子「」との別れ。いや宗太郎や師匠の一条鶴子との別れも辛かった。
大きな波の人生だったからなお辛かったと思う。
本棚に大事にしまっておこう。
<お化けに育ったほうき草>
